風日誌


『智慧の実を食べよう』

バッハ「クリスマスオラトリオ」


2003.12.24

 

「ほぼ日」から『智慧の実を食べよう』がでたので早速読んでみた。
5人の長老(詫摩武俊・吉本隆明・藤田元司・小野田寛郎・谷川俊太郎)が
6時間に渡って語ったライブイベントの記録である。
5人の合計の歳は378歳あるという。
 
このイベントは「ほぼ日」の5周年を記念して開催されたもので、
糸井重里は「長く生きてきた人」からその「智慧」を学ぶということを
とても大切なことだと考えているらしい。
 
実際、現代は若者文化がずっと続いていて、
「長老」の智慧をあまりにおろそかにしすぎていた。
そろそろその揺り戻しが少しはあってしかるべきなのだろう。
 
しかしシュタイナーもいっているように
かつての時代は歳を経ることがイコール、智慧の蓄積である
という側面があったのに対して、
現代では歳をとるだけでは智慧は育っていかないらしい。
それはあたりまえのことなんだけど、
そのことはここらへんでちゃんと考え直してみたほうがいい。
若者が何も学ぼうとしなければ
肉体の衰えとともにそのままのアホだけを引きずっていくだけなのだ。
けれどもちゃんと格闘してきた長老たちは
この記録を読めばわかるようにとても素晴らしい。
つまりは、やはりいまのうちからいろいろと
ただのアホにならないようにしておく必要があるということでもある。
気を付けたいものである。
 
さて、今日はあたりまえのように、クリスマス・イブ。
実はyuccaの母が一昨年に亡くなった日でもある。
そのときはほんとうに大変で切なくて(しかもとても寒くて)
おそらく一生忘れることはないだろうと思う。
義母の魂はいまどこで何をしているのだろう。
いずれぼくもどこかで(死んだあとだけれど)
そのときのことなどいろいろ話してみたいと思っている。
 
その義母は歌を歌うのが好きでバッハなども合唱で歌っていたらしいので、
今日の音楽も、ちょっとあたりまえのようだけど、
バッハのクリスマスオラトリオにしたい。
演奏は、やはり、バッハ・コレギウム・ジャパン(BIS-CD-941/942)。
今日は、会社からの帰り、道が驚くほど混んでいて、
その帰り道だけでもCDが1枚分きけてしまった。
ひさしぶりのクリスマスオラトリオ。
これからもこの日にはいろんなことを思い出したりするのだろうと思う。
 
 

 ■「風日誌」メニューに戻る
 ■「風遊戯」メニューに戻る
 ■神秘学遊戯団ホームページに戻る