筑摩書房からでているシュタイナー・コレクションの4巻目、 『神々との出会い』が昨日発売される。 GAナンバーでいうとGA129の『宇宙の奇跡、魂の試練、霊の啓示』。 1911年8月18日〜8月28日にミュンヘンで行なわれた11回の講義で、 第二神秘劇「魂の試練」の初演に関連している。 「神々」というのは、ギリシア神話の神々。 エレウシスの秘儀やディオニュソスの秘儀についての講義でもある。 ちなみに、GA128が『オカルト生理学』で、 この講義は、1911年3月20日〜3月28日にプラハで行なわれている。 カフカがきいたかもしれない講義である。 まだ読み始めたところなので、 読み終えたらなにかノートでもしてみることにしたいが、 高橋巌さんが「あとがき」で、次のように書いているのが目にとまった。 ゲーテは晩年の或る対談の中で、もしも自分にもっと時間とエネルギーが 残されていたら、ギリシア語を学び直して、アリストテレスの研究に没頭 しただろうと語ったが、若い頃のシュタイナーが最も影響を受けたゲーテ とニーチェは、共に古代ギリシアに深い結びつきを感じていた。 本書を読むと明かなように、シュタイナーもまた、古代ギリシアの、宗教、 科学、芸術を統合する文化から霊感を受けていた。ロマン・ロランはその 『ベートーヴェン研究』の中で、第九交響曲がエレウシス秘儀を音楽に甦 らせたと論じたが、シュタイナー人智学もまた、エレウシス秘儀もしくは ディオニュソス精神の一種の蘇りであると言えるであろう。 ベートーヴェンの第九がでてきているが、 そういえば、師走になるとこの第九が各地で演奏される。 今年はラトルの揮るベートーヴェン交響曲全集が CDの大賞を受賞していたようである。 ぼくはこれまでそんなにベートーヴェンの交響曲を集中的にきいたことはないが、 交響曲をはじめとしたベートーヴェンのピアノソナタ、弦楽四重奏などに 浸ってみるのもいいかと思っている。 シュタイナーが好きだったベートーヴェン。 ということで、今日は、ベートーヴェンの交響曲第9番の ききくらべをしてみることにしたい。 フルトヴェングラー指揮のいわば<ディオニュソス的な芸術>と それと対極にあるともいえるシューリヒトの<アポロ的な芸術の粋>。 手元にあるのはフルトヴェングラーのものがバイロイト祝祭管弦楽団、 シューリヒトのものがパリ音楽院管弦楽団。 そういえば、バッハ・コレギウム・ジャパンが 17歳のワーグナー編曲によるピアノ版の第九を小川典子のピアノで 録音したCDも手元にあったりする。 「世界初録音」ということになっている(1998)。 |
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