風日誌


オトナ語の謎

「王様」と「女王様」


2003.12.8

 

知る人ぞ知る『オトナ語の謎』が
『ほぼ日刊イトイ新聞』から発売になったので早速購入。
ネットのとき同様笑いながら読んでいる。
こうして「オトナ語」という言葉の存在を意識し、
その生態を観察できるようになるというのは面白い。
『オトナ語』というのがわからない人は
『ほぼ日刊イトイ新聞』にアクセスしてみるとわかるけれど、
http://www.1101.com
はやいはなし、「オトナ」の世界で慣用的に使われているけれど
辞書にのったりはしない言葉たちのこと。
 
たとえば、この本の最初に載っているような
「お世話になっております」のような言葉。
「オトナの世界はこのひと言よりはじまる」そうな。
こうした言葉がまるでつかえないと
いわゆる世間様ではなかなか生きづらいけれど
こういう言葉をあまりに無自覚につかいすぎると
ロボットのような人間になってしまいかねないところもある。
 
この本は、いまのところは『ほぼ日刊イトイ新聞』に
直接注文するしか手に入れる方法がないのだけれど
(今までとは「違うこと」がやってみたかったのだそうです)
そのプロモーションをかねてのことか
今週のTFMの朝の番組「メルセデスベンツ・スーパーコラム」のゲストに
糸井重里がでていて早速今朝この本の話をしていた。
その話によると、糸井重里はいわゆる会社づとめをしたことがないので、
たとえば会社などでよくつかわれたりしている「オトナ語」が
意味不明のことがよくあったそうで、
それもおそらくこの本が登場する大きなきっかけでもあったのだと思う。
 
この本の「はじめに」に、
糸井重里が「オトナ語」という概念をはじめて意識したのは、
高校の頃、ある「生意気くん」が「頑な先生」に向かって
「あなたは」と言って、キレさせた場面だったことが書かれている。
そしてこう書かれている。
 
        日本語として間違ってなかろうが、上司に「あなた」と呼びかけてはいけない。
 
たしかにそうなのだけれど、
日本語ではなぜ目上の人に「あなた」という二人称が使えないのか、
その「社会のルール」がどこからくるのかを
あらためて考えてみることはけっこう興味深いことだと思う。
 
単純にこの『オトナ語の謎』を読んで笑ってみたりしながら、
その笑いが私たちの言語使用におけるプラグマティックな側面について
ちょっと意識化することにもなるというのはけっこうイケルのではないだろうか。
 
笑いながらちょっと意識的になれるということで、「王様」を思い出した。
知る人ぞ知る「王様」。
 
ディープパープルのナンバーを日本語直訳して歌った
「深紫伝説」には笑いころげたものだ。
まさに、日本語直訳。
ディープパープルの歌詞の内容が「直訳」でわかる面白さ。
「ハイウェイスター」はまさに「高速道路の星」なのだ。
 
ジョンレノンの日本語直訳歌もあった。
「イマジン」は「想像してごらん」。
(想像してごらん 天国はないと・・・
僕は夢見人かも知れないけれど・・・)
「ジェラス・ガイ」は「やきもち男」。
このジョンレノン・ヴァージョンはけっこう気に入っていた。
レノンとヨーコの「ハッピー・クリスマス」もあり
泉屋しげるが参加していたりして楽しい。
(楽しいクリスマス あけましておめでとう・・・)
もちろん「ラブ(愛)」もある。
 
ところで、この「王様」に対して
「女王様」がいたのはご存じだろうか。
まさに「女王様」は「クイーン」。
その『女王様物語』にもなかなか笑えた。
「ボヘミアンラプソディー」は「さまよえる魂のための狂詩曲」
(母さん、俺、やっちゃった・・・)
「バイシクル・レース」は「自転車競争」。
(この、じーてんしゃ、じーてんしゃ、というのは笑える)
それに「ウィ・アー・ザ・チャンピオン」は拡大解釈で「我ら横綱」。
 
こういうパロディは、けっこう好きなのでした(^^)。
 

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