風日誌


光る石資料館

ヴァイスのリュート曲


2003.10.25

 

今日は、山口県岩国市二鹿(ふたしか)にある
喜和田鉱山跡近くにある「光る石資料館」に出かける。
「光る石資料館」というのは、
ここで産出していたタングステン(灰重石)に
紫外線を当てたときに発光することから、
その光るタングステンを鉱脈の様子とともに光らせるコーナーや
その他の発光鉱物のコーナーがあることから名づけられている。
 
島根県桜江町にある「小さな自然館」にも光る鉱物のコーナーがあって、
先日もそれを見たところだったのだけれど、
今日は、それをテーマにした資料館が
つい最近まで操業していたという鉱山跡にあることを知り出かけることにした。
 
資料館には、そのタングステン鉱石をはじめ
さまざまな鉱石が安く展示販売されていて、
しかも通常のショップなどではあまりみかけないような
近くの鉱山からの産出鉱物などもあって興味深かった。
喜和田鉱山産の燐灰石入りのタングステン200円、
広島県の勝光山の鋼玉(コランダム)600円、
そしてyuccaが見つけた岡山県のスパー石200円を購入。
入館料も一人200円で2回目からは無料と、とてもうれしい(^^)。
 
鋼玉は、以前でかけた阿武町の宇久鉱山跡で
yuccaがかち割った石からでてきたサンプルもあったが、
帰宅してあらためてそのサンプルと比べてみてほぼ同じ。
やはりそのサンプルはまぎれもない鋼玉であることがわかる。
 
ところで、タングステンは、電球のフィラメントにも使われているほか
その波長の長いことを利用してX線管にも使われているが、
ダイヤモンドに次いで硬く、金と同じ重さであり、
さらに耐熱性にも富んでいることから、
大砲や戦車、軍艦などの材料として使われてきたそうである。
 
この喜和田鉱山のタングステン含有率は普通10%を超え
50%にも達するという世界一の優良鉱であるものの、
昭和50年代以降、軽い素材が開発されたり、
中国の安い鉱石が輸入されるようになり暴落。
廃山することを余儀なくされた。
 
今手にとっているタングステンの背景には
さまざまな歴史が流れていることを実感させられる。
帰りに二鹿の町に共産党のポスターが貼られてあるのも
その歴史のひとつなのだろう。
 
ところで、この鉱山跡の近くには、美しい「梅津の滝」があり、
遊歩道も整備されてあったので、しばらく散策。
岩国基地もあることから、アメリカ人らしき人も来ていたりした。
この滝はとても素晴らしい近々風のミュージアムに登録することにしたい。
 
今日のBGMは、Silvius Leopold Weiss(1686-1750)のリュート・ソナタ。
Kurt Schneeweissのギター演奏によるもの。
ARTE NOVA CLASSICSシリーズにでているVol1.
 
秋も次第に深まってくると静かな響きとともに過ごしたくなる。
ヴァイスのリュート曲はそんなときに最適な音楽のひとつである。
しかしこのヴァイスのCDもショップなどではあまり手に入りにくいが
NAXOSには何巻かRobert Bartoのリュート演奏で発売されていて、
この演奏もなかなか心地よく、こうした曲をきいていると、
不自然な静けさよりもむしろ静かな空間になるところがある。
 

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