風日誌


シュタイナー・磁針の比喩・『照応する宇宙』

Art Garfunkel“everything waits to be noticed”


2003.10.15

 

農業講座を新訳のほうで読み直している。
やはり、農業と医学は切り離せないのも実感。
そして、ケイ酸と石灰の関係など。
 
さて、第一講に他の講義でもよくでてくる次のような比喩がでてくる。
 
	私たちは一本の磁針を見る。そしてこの針がその一端でつねに
	北の方角にごく近いところをさし、別の一端で南をさしている
	ことに気づく。そしてなぜそうであるのかを考える。私たちは
	その原因を磁針の中には求めず、地球全体の中に求め、地球の
	一端に地磁気の北極を、他端に求める。
 
そして、「その原因を磁針の中に」求める考察方法についてこう語る。
 
	磁針を例にとってみればよくその無意味さの納得でこきるこの
	種の考察方法は、現実には多くのことに関してまかり通ってお
	り、何かたいへん意味深いことのように人びとの目に映ってい
	るのです。
 
パソコンの画面に文字が出てくるのを見て、
その原因をパソコンの中にあるものに求めるような考察方法ともいえる仕方が、
さまざまなところで正当化されていることが多い。
唯脳論だとかいうのも、パソコンが考えながら
文字を表示させているというような考え方に近い。
 
その反面、葬式だとかお墓だとかいうことになると、
そういう「考察方法」は放棄されてしまって、
わからないものをわからないと思うような
あたりまえの思考さえ麻痺してしまう。
さまざまな権威思考も似たようなもの。
どうしてなんだろう。
その両極端さのなかで、世の中が動いていたりする不思議・・・というか混沌。
 
ところで、シュタイナーの訳の新刊がでた。
筑摩書房の刊、高橋巌訳・シュタイナーコレクション3『照応する宇宙』。
『マクロコスモスとミクロコスモス』全11講と
「感性界、魂界、霊界を巡る輪廻の諸相」が収められている。
じっくりと読み進めたい講義である。
 
今日のBGMは、Art Garfunkel with Maia Sharp&Buddy Mondlockの
“everything waits to be noticed”.
すべては気づかれるのを待っているんだ。
邦題は「心の散歩道」になっているけれど、
心の旅と冬の散歩道を合わせたようで好きになれない。
 
このアルバムはちょうど1年ほど前にでたらしいんだけれど、
つい最近でているのに気づいた。
とても気持ちよくきける。
 
Art Garfunkelは一人で歌っているよりも、
こうしてハーモニーを生かしたほうが不思議な美しさがある。
 

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