風日誌


石灰フェアと鯉が窪湿原

J.S.バッハ「フーガの技法」


2003.08.23

 

今日は早起きして、岡山県新見市で開かれた「石灰フェア」に出かけた。
新見市とその周辺は日本有数の石灰石の産地で、
今回のフェアは新見市の地域経済を支えている
この石灰を地域の方々によりよく知ってもらい
業界の活性化を図るというのが目的らしい。
 
yuccaが朝日新聞の地域のニュースで紹介されていたのを見つけ、
そのなかで石灰の採掘現場や工場見学のできる
「ウォッチングツアー」もあるというので
この機会を逃してなるものかと出かけたのである。
露天掘りの広〜い採掘現場のなかで大きなパワーショベルが
石灰石をどんどん運び込んでいく!
しかし、暑かった(^^;)。
とはいえ、やっぱり現場のライブはなかなか得がたい体験だった。
 
先日も山口県の長登鉱山跡を見学したところだけれど、
今回のように現場で働いている人のガイド付きのツアーもいいものだ。
 
ところで、ノヴァーリスは鉱山技師だったが、
やはりこうした鉱山で得られる岩石、鉱物について
さまざまに見識を深めながら
岩石、鉱物についての秘密にも迫っていたのだろうか。
 
さて、その新見の近くには、
何度もでかけている鯉が窪湿原があるので、
鉱山見学の後、でかけてみることにしたのだが、
今回は、驚くほどいろんな花たちを目にすることができた。
待望の「オグラセンノウ」をはじめ、「ビッチュウフウロ」、
「サワギキョウ」、「シラヒゲソウ」、「サギソウ」など
あまりのうれしさに2時間ほどもyuccaと湿原を彷徨っていたことになる。
yuccaが次々に見つけてくれたこれらの花たちを
デジカメでとても美しく撮影することもできたので、
近々「風のミュージアム」でもご紹介できると思う。
 
今日のBGMは、J.S.バッハの「フーガの技法」。
 
先日から樋口覚『グレン・グールドを聴く夏目漱石』(五柳書院)を
読んでるのだが、そのなかに、グレン・グールドが
夏目漱石の『草枕』を何度も読み、瞑想にふけり、
何冊も買って知人に配り、またカナダ国営放送でその第一章を朗読した
という面白い話がでていた。
その朗読は、「ゴルトベルク変奏曲」の全曲録音の半年後のことだったらしい。
 
で、その『草枕』を、樋口覚が、蕪村の「春風馬堤曲」との関係で
「風雅の技法」というふうに形容していることから、
そうか、風雅はフーガなのだ、とか勝手に思い、
「フーガの技法」を選んだ次第。
ちなみに、今手元にあるのは、グールドの演奏のものではなく、
ラインハルト・ゲーベル指揮ムジカ・アンティクア・ケルンの演奏。
 
 

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