風日誌


浮世絵(北斎、広重)

矢野顕子「いつのまにか晴れ」


2003.08.12

 

日曜日は萩美術館で、北斎、広重を中心とした浮世絵(風景画)を堪能。
前回の前期展示と今回の後期展示で300点。
これだけまとまったかたちで浮世絵を見たのは始めて。
まさにアウラがでているとしかいいようのない作品にふれることのできる喜び。
なかにはアハハというような作品もあってそれも含めて楽しめる。
美人画の顔にパタリロの顔を入れてみて、にゃ〜、とかイメージしたり(^^;。
 
いわゆる日本画のことはいまだによくわかっていないのだが、
少なくとも見ていてたしかにこちらに伝わってくるものと
そうでないものがあるという、至極あたりまえのことを実感させられている。
 
少し前に出かけた足立美術館で上村松園の美人画がいくつか展示されてあった。
いわゆる美人画には興味をもってはいなかったのだが、
その絵には不思議な魅力を感じてしまった。
おなじような作品なのに隣に展示されてある美人画からは何も伝わってこない。
それまで上村松園についてはまるでなにも知らなかったのだけれど、
それ以来、画集や随筆集などみてみるようになり、
その魅力がいったいどこからくるのかを想像してみている。
折りよく9月から広島県立美術館でも上村松園展があるそうである。
 
その足立美術館では、横山大観の作品がたくさん展示されたあったのだが、
逆にそれらの作品はみるほどにこちらに何も伝わってこない。
とくに富士を描いたものなど、そこに添えられている言葉も含め、
見るのがいやになってくるほどだった。
北斎の富岳三十六景に描かれている富士を見ながらあらためて
そのときの印象が浮かび上がってきた。
 
足立美術館にはあまりいい印象は持てなかったのだけれど(^^;、
収穫は、河井寛次郎と魯山人の陶芸の展示コーナーがまとまってあったこと。
とくに河井寛次郎の作品には深く深く感銘を受ける。
その随筆もまたすばらしい。
 
さて、浮世絵で美人画といえば歌麿。
ちょうど足立美術館で上村松園の美人画を見た日、
松江の美術館で歌麿の美人画を見る。
1点だけだったのだけど魅入られてしまう。
萩美術館の浮世絵点の前期展示にときにも
これもまた1点、歌麿の美人画が展示されてあり、
そこからも不思議なアウラが放たれていた。
その謎についてもこれから課題の一つになりそうだ。
 
今日のBGMは、矢野顕子の「いつのまにか晴れ」。
アルバム「PIANO NIGHTLY」に収録されている。
高野寛の作品だったと思う。
雨ばかりの夏、昨日も雨、今日は曇り。
晴れ間が広がりますようにという願いをこめて。
 
矢野顕子のピアノ弾き語りのアルバムはSUPER FOLKSOG以来、愛聴盤になっている。
「夏が終わる」とか「風をあつめて」とかも最高だな。
「夏が終わる」は谷川俊太郎+小室等、「風をあつめて」は細野晴臣。
「PIANO NIGHTLY」のなかにも細野晴臣の「機関車」があって、これもいい。
 
 

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