高橋巌訳によるシュタイナー・コレクション2 「内面への旅」(筑摩書房)が発売された。 全編本邦初訳とあるが 第一部の「感覚の世界から霊の世界へ」(全6講)は トポスのHPに掲載されている、佐々木義之さん訳による 「感覚の世界と精神の世界」(GA134)、 第二部の「オカルト的な読み方と聴き方」(全4講)は、 西川隆範訳による「霊視と霊聴」(水声社)という訳がある。 第三部の「音と言葉の由来」、第四部の「内面への旅」は ぼくの知る限りでは初訳のようである。 ともあれ、先日の『イエスからキリストへ』の訳をはじめ、 こうしてシュタイナーの重要な講義等が訳されていくのはうれしい。 シュタイナーの翻訳で手に入るものは可能なかぎりたいてい入手して いちどは読んでいるはずなのだけれど、 あらためて読んでみるといつもはじめて読んだような気になる。 おそらくシュタイナーの講義などの内容を覚えるということはできないのだろう。 ぼくのほうも、以前読んだときのぼくと、 読み直したときのぼくとではたぶん変わっている。 読むぼくが変わるのだからその都度別のものを読んでいるのと同じになる。 前に自分はいったい何を読んでいたのだろうと自分に失望したりもするが 自分が少しはなにかの可能性を増したというふうにとらえることもできる。 そのように希望の原理でじぶんを(少し甘く)とらえながら これからも気長にライフワーク的にシュタイナーをガイドとしていきたい。 シュタイナーを読んで少なくともいまのところ失望させられたことはないから。 ぼく自身のいわば「不道徳性」故についてゆけないところは多々あるけれど(^^;)。 今日のBGMは、ヒリアード・アンサンブルによるパレストリーナ。 Canticum canticorum Motets Book IV Spiritual madrigals 先日CDショップでこのCD(2枚組)の廉価版が1300円くらいででていた。 思わずこれは買い!だと思ってみてみると、以前買い求めていたものと同じだった。 ちなみに、このCDは1986年のもので、 ヒリアード・アンサンブルの指揮者にPaul Hillierがいたころのもの。 この演奏はほんとうに美しく、ぼくの愛聴版になっている。 ヒリアード・アンサンブルはいちどコンサートにでかけたことがあるが 生できくその声というのは全身に浸みてくるような感じ。 パレストリーナ(1525〜1594)はルネッサンス期の音楽家。 このルネッサンス期にはほかに、デュファイ、オケゲム、ジョスカン・デ・プレ、 トマス・タリス、ラッスス、バード、ダウランドなどがいて ききはじめるとなかなかにはまってしまう音楽ばかりである。 このルネサンスの音楽家について知りたい方は、たとえば 今谷和徳『ルネサンスの音楽家たち(I・II)』(東京書籍1993/1996)などを 参照されるととてもよいガイドになるのではないかと思う。 |
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