風日誌


保坂和志・小島信夫・田中小実昌

UA+KAMA AINAのTIDA NU UTIMAGURE BUSHI


2003.07.31

 

帰宅してみると、ほぼ日にたのんでいた保坂和志の新作
『カンバセイション・ピース』(新潮社)が届いていた。
今日発売の本。
著者の署名入り。
マジックで書いている。
そういえば、署名入りの本とかははじめてかもしれない。
(yuccaは中沢新一の署名入りの本をもっているが)
 
ほぼ日での保坂和志のインタビューなどを読むうち
いろいろ興味がでてきてその小説やら
保坂和志の尊敬しているという小島信夫の小説やらを
読んでいたりもするのだが
いろんな発見があってとても面白い。
 
保坂和志の『生きる歓び』(新潮社)には
「小実昌さんのこと」という作品が収められている。
ぼくもわりと田中小実昌さんの不思議な小説は好きだったりしたので、
保坂和志が小島信夫とともに田中小実昌と
いろいろ関係があるというのを知ってまたうれしくなってしまった。
この「小実昌さんのこと」のなかに、
保坂和志がはじめて田中小実昌の小説を読んだのが
「海」という雑誌だったということが書かれてあったのだけれど、
実はぼくも同じだったわけで、なんだかとても共感してしまったりもする。
 
ところで、小島信夫の『抱擁家族』という小説、
読んでみて、そのすごさを目の当たりにしてかなり当惑している。
読み始めてその不思議な語りのなかで
不思議なヴァーチャル・リアリティを体験してしまった。
とはいえ、ストーリーとしてはとりたててどうというのでもない。
これがぼくの最初の小島信夫体験になる。
そうかあ、これが小島信夫だったんだと感慨深い。
なにがどうすごいのかまるでことばにならないのだけれど、
その影響はこれからじわじわ来そうな気がしている。
『管野満子の手紙』(集英社)というのを今読んでいるのだけれど、
おもしろいことにその最初からヘルダーリンやらゲーテやらがでてくる。
ほら、早速シンクロしてきたとなんだかうれしい。
また、保坂和志と小島信夫の関係などを知りたく
往復書簡の『小説修行』(朝日新聞社)なども読んでみた。
その不思議な感じがこれもいい。
 
ところで、今日のBGMは、UA+KAMA AINAの
TIDA NU UTIMAGURE BUSHI(太陽ぬ落てぃまぐれ節)。
 
ほんとうに久しぶりに買ったBRUTUSの2003.8/1号(529)
(特集:日本の76島 楽園の島へ)
に付録でついていたオリジナルCD。
「太陽ぬ落てぃまぐれ節」は奄美の有名な島唄らしい。
とてもノリもよく気持ちよくきける。
今年の梅雨はとてもしつこかったので
からりとした青空をイメージできるのがうれしい。
 
島唄は昨年からちょっとしたブームで、
ぼくも昨年はSWITCHIで元ちとせの特集を読んで以来
(その号には大島保克のミニCDがついていたりした)
たとえば、嘉手苅林昌の『風狂歌人』などのCDなどをきいていたりもした。
 

 

 

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