風のメモランダム

復活祭は4月16日/『魂の暦』とともに


2006.4.14.Fri.

■復活祭は4月16日/『魂の暦』とともに

春分後の満月の後の日曜日、
つまり、復活祭は今年は今度の日曜日、明後日の4月16日。
ぼくはとくにキリスト教とかを信仰しているわけではないけれど、
シュタイナーの「魂の暦」を知ってから、復活祭を意識するようになった。

そういえば、少し前に「魂の暦」について
マンフレッド・クリューガー:『魂の暦』とともに(鳥山雅代訳/水声社)という
魂の暦を解説したものが刊行されている。
ちなみに、基本的に『魂の暦』のみの訳は何種類かでていて
ちくま文庫/高橋巌訳の『魂のこよみが』が手に入りやすい。

ちなみに、「『魂の暦』とともに」のなかの
「1918年版のまえがき」より、
『魂の暦』について、シュタイナーの言葉でその暦の意味について。

この<魂の暦>に出てくる言葉はそれぞれの1週間が1年の全体の流れの
なかの一部として体験できるように表現されています。もしこの宇宙のい
のちが人間の魂とひとつになるのなら、この1年の流れゆくいのちを魂の
なかで響かせてゆけるのです。<魂の暦>のなかでは、まさにこの内容が
表現されています。自分自身を正しく理解したいと思う人間の魂は、この
ような<魂の暦>を通して「宇宙の運行、自然の運行を共に体験する」こ
とを深く求めているのです。ですから健全な形で自然の運行と「ひとつ」
になり、そしてそこから生まれてくる力を通して人間は「自分自身」を見
つけることができるのです。

さらに、第1週の「復活祭の情景」の解説から、
復活祭の意味とそこで体験できる魂の喜びについて。

復活祭の起源は、太陽神が地球とひとつになり、死する地球に新たな生命
を与えるというお祝いです。
・・・
この時期人間は自然を見るごとに太陽の力が強くなっていくのを確かに感
じます。植物は暗い大地の奥深くから、光に向かって大地を突き抜けて上
昇していきます。地球が今まで吸っていた息を吐き出し始めたからです。
・・・
太陽と地球がひとつになること。崇高な神と人間がひとつになること。こ
れが復活祭です。太陽が「人間の感覚」に語りかけるとき、人間の魂のな
かでは喜びが生まれます。

地球も呼吸している。
春には息を吐き出し、それとともに植物が生長し、夏至に至るまではき出し続け、
その後、今度は息を吸い込みはじめ、秋にはそれがもっとも活発になる。
そして冬、息を止めた状態になるのが冬至で、その後、春に向けて地球は息を 吐き始める。
そうした四季を通じた地球の呼吸にあわせて瞑想するための「暦」が「魂の 暦」だといえる。

こうして四季の呼吸にあわせて、私たちは自己認識を深めていくことができますが、
重要なのは、人間は自然界に依存しているのではないということ。
人間のリズムは、自然界のリズムとは、ずれたリズムを刻んでいる。
つまり、この瞑想のための暦は、
「自分の思考を通して暦を理解する」ためのものとしてとらえる必要がある。

『人智学指導原則』の最初に、シュタイナーが
「人智学は人間存在のなかの精神的/霊的なものを
宇宙のなかの精神的/霊的なものに導こうとする、一つの認識の道」だと述べ ているが、
この「魂の暦」もまたそうした認識の道なのである。