風のメモランダム

年度替わりの日々是忙日/吉田直哉の発想から学ぶ


2006.3.24.Fri.

■年度替わりの日々是忙日

日本には1月から始まる暦と4月から始まる暦がある。
ときには、9月も。
そして、平成18年の3月でも、平成17年度なのだ。
仕事上では、この年度替わりのほうがずっと慌ただしい。

ダブルスタンダードというほどでもないのだけれど、
この2つの暦の存在というのは、なにかと面倒で、
年末年始には年度末、年始の挨拶があり、
今年もよろしく、ということをいわなくちゃいけないし、
それが終わってしばらく経つと
年度末、年度初め、ということで、
そのための行事もあるし、作らなければならない書類があふれだす。
しかも、仕事の取引先も年度替わりということで
それにともなう作業もあふれてくる。

なんだか、人をのんびりさせないシステムのような気がしてくるけれど、
実際、暇になると人は堕落してしまう、とでもいうような信仰が
おそらくはこの国にはあるということなのだろう。
・・・という愚痴をいいたくなってくるような、そんな日々是忙日。

■吉田直哉の発想から学ぶ

武満徹は映画音楽をたくさん作曲し、
映画監督とのさまざまな関係もあるが、
テレビ映像ということになると、
NHKのディレクターでもあった吉田直哉との関係も深い。

ということで、名前だけは知ってきたくらいだった
吉田直哉の映像制作に関する著作や
その他のさまざまなエッセイなどを読み始めたが、
これがすばらしく面白い。
吉田直哉が実際に関わってきた映像制作の実際を知るだけでも、
そこには驚くほどたくさんの宝物が蔵されてているのがわかる。

まだ歴史の浅い映像文化ではあるけれど、
短い間で試行錯誤されたさまざまな映像の試みや
それに関する深い思索を続けてきた吉田直哉の営為からは
これからさまざまな視点や発想などを得ることができそうだ。

こうして、これまでにあまり知らずにい人やテーマに出会うことで、
またあらためて自分がいかに知らないかということを知ることができる。
日々、知らないことばかりが増えていくのだけれど、
それが増え続けているあいだは、
ぼくもまだまだ自己教育の機会を前向きに得ることができそうである。