風のメモランダム

武満徹とデヴィッド・シルヴィアン/『アナン、』


2006.2.20.Mon.

■武満徹とデヴィッド・シルヴィアン

隔月偶数月20日は、タワーレコードの無料配布intoxicateの発売日。
今回(Vol.60)の特集は、武満徹没後10年「妖精との距離」。
しかも、なんと、デヴィッド・シルヴィアンへのインタビューも載っている。

ぼくがデヴィッド・シルヴィアンと武満徹との関係を知ったのは
90年のラッセル・ミルズとの展覧会に関連して発売されたCDブックに
書かれていた武満徹のコメントがはじめてだった。
デヴィッド・シルヴィアンは、ソロのファーストアルバムの
『ブリリアント・トゥリーズ』に武満徹の曲をサンプリングしたのが
武満徹に伝わったのが縁になったらしいが、
二人はコラボレーションの機会を話し合っていたらしい。

武満徹さんとはいつも会うたびになにかコラボレートしようという
話をしていた。彼が作った曲に歌をいれてくれないかとか、ホーム
レコーディングした曲のテープを送るので参加してくれないかとい
う話をしてくれていたんだけど、その曲をついに聴くことはできな
かったし、具体的な形になったものもないんだ。

武満徹のつくった曲にデヴィッド・シルヴィアンの声がのる・・・
もう想像するだけで、どきどきしてしまう。

さて、武満徹没後10年ということで、
武満徹の映画音楽(オリジナルサウンドトラック)を集めた7枚組BOXセットや
武満徹室内楽全集各2枚組全5タイトルが発売になる。
ほしい、が、どうしよう・・・というところ。

■アファナシエフの連載「音楽と形而上学」

このintoxicate Vol.60から、アファナシエフの連載「音楽と形而上学」が
数回にわけて掲載されることになった。
これは、2005年10月22日に、浜離宮朝日ホールで行われた
レクチャーの記録だということである。
また、近い将来、今までのレクチャーの内容を
書籍化することも考えているとのこと。
チェックしておかなければ。

■『アナン、』上下(飯田譲治・梓河人)

飯田譲治・梓河人『アナン、』が講談社文庫の上下巻ででた。
そんなに意識していた著者ではなかったのだが、
どんな人かなとおもったら、
以前キムタクの主演していたテレビドラマ「ギフト」の著者らしい。
「ギフト」はちょっと不思議で魅力的な話だったので、
ぼくにしてはめずらしく見ていたテレビドラマだったので、
記憶にのこっていた。

「スピリチュアル・ファンタジー」というので二の足を踏んだが、
解説の北上次郎も、その「スピリチュアル・ファンタジー」という
コピーをみただけで自分とは無縁だと思っていたが
それにもかかわらず「美しい物語だ。力に満ちた物語だ」と
その解説の冒頭で書いていたので、騙されてみようと思って読み始めたが、
解説通り、先週末、あまりに面白いのでほとんど一気読みしてしまった。
たしかに少しばかりニューエイジ風のくさい表現もでてくるんだけれど、
そんなのぶっとばしてしまうほど、たしかに、美しく、力強い。