風のメモランダム

 

プラネタリウムのふろく/世阿弥の佐渡


2005.12.13.Tue..

■プラネタリウムのふろく
 
「大人の科学マガジン」Vol.9のふろくは
「究極のピンホールプラネタリウム」。
特集は「なぜ人は星空を美しいと感じるのか?」
 
巻頭に、大平貫之と茂木健一郎の対談があるが、
脳だとか遺伝子の記憶だとかおもしろくない結論が示唆される。
星空が私たちの内でダンスしているから
満天の星をみると感動せざるをえないのだ、
くらいのことがいえないものか。
 
それはそれとして、今回のふろくは、
なかなかよくできている。
部屋の中が星空に変わる。
パソコンのモニターに映し出される星座も
星座盤でみることのできる星座もいいが、
やはりプラネタリウムである。
もちろん、実際に見る満天の星に比べるべくもない。
数年前の冬、中国山地のまんなかあたりで
真夜中に見た満天の星はほんとうにきれいだった。
 
■世阿弥の佐渡
 
NHK「知るを楽しむ」の12月-1月の水曜日は
瀬戸内寂聴「世阿弥の佐渡を歩く」。
 
世阿弥は、70歳を過ぎて
足利義教に佐渡に流される。
そういえば、晩年の世阿弥のことをあまり知らずにいた。
 
佐渡で生涯を終えたのか、
許されて都に帰ったのかも定かではないというが、
佐渡の時代の書簡「佐渡状」、手記「金島書」が遺されている。
 
若い頃から輝かしく生きた芸術家の晩年というのは
いったいどういう心境だったのだろうか。
佐渡では、江戸時代以降、能が盛んになり、
現代でも盛んに能が上演されているという。
その種は世阿弥が蒔いたのだろうか。
 
世阿弥は佐渡に流されるときに、
護身用に鬼の面だけを持って行ったという。
また、「佐渡状」のなかには、
娘婿の金春禅竹からの
「鬼の能を演じるにはどうすればいいか」という問いに
そんなことは教えられないとつっぱねるところがある。
世阿弥の父の観阿弥は鬼能を得意としており
世阿弥も演じていたようだが、その思いや如何。
 

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