風のメモランダム

 

ニコラーエワのベートーヴェン・ピアノソナタ全集


2005.11.28.Mon.

■ニコラーエワのベートーヴェン・ピアノソナタ全集
 
先日、タワーレコードで、ニコラーエワの
ベートーヴェン・ピアノソナタ全集(ライヴ盤)を見つけたので、
最初のほうから少しずつ聴いているが、なかなかいい。
80年代前半のそれほど録音状態もよくない盤だが、
ライヴならではの熱が伝わってくるのがいい。
 
20年前ほどは、ベートーヴェンがいまひとつピンとこなかったが、
最近では、バッハかベートーヴェンを聴かない日はないというほど
ベートーヴェンの音楽が不可欠になっている。
 
そのCDを見つけたときに気づいたのが、
ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲をまだ聴き通してないということ。
この際、じっくりと聴いてみることにしたという次第。
しかも、バッハに、ショスタコに定評のあるニコラーエワ。
 
今夜は、yuccaとあの永遠の名曲、第31番を
このニコラーエワとアファナシエフでききくらべしてみた。
アファナシエフの演奏は2003年の日本でのライヴ録音だ。
アファナシエフの演奏もはやり素晴らしい限りだが、
ニコラーエワの熱のこもった演奏も捨てがたい。
 
■David Sylvian:THE GOODSON vs The Onle Daughter
 
これはDavid SylvianのTHE BLEMISHのREMIX盤で、
一年近く前(今年の1月)に出ていたのだが、そういえばご紹介してなかった。
ときおり聞き返すのだが、David Sylvianの声が、
さまざまなREMIXによってまた新たな魅力を獲得してるようだ。
 
人の歌声に辟易するときがよくあるが、
David Sylvianにはそういう感じを持たないでいられる。
バッハやベートーヴェンを聴く感覚にぼくには比較的近いところがある。
昨日も気力体力が萎えて会社から帰る途中に
ふとおもいついてこのREMIXを聴きながら帰った。
「癒される」というようなものではないが、
どこかでぼくのなかのなにかが覚醒してくる感覚を得ることができる。
 
ときに、自分を眠らせてくれるものを欲するときもあるのだが、
そういうのはやはりある種の逃避感覚が否めず後味が悪い。
どちらかといえば、覚醒させてくれる音が声がいい。
もちろん覚醒といってもドラッグはもってのほかである。
それは覚醒といいながら精神を眠らせてしまうから。
 
先の、ベートーヴェンのピアノソナタ第31番も覚醒の最たるものだ。
以前、yuccaとヴェデルニコフの演奏するものをきいたとき
ふたりとも張り付いてしまうようなふるえを感じたことがあるが、
やはり人は眠り込んではいけない。
グルジェフもいうように、自分のいない人間はただのロボットなのだから。
 
 

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