風のメモランダム

談志の語る手塚治虫


2005.10.4.Tue.

 

■談志の語る手塚治虫

NHKテレビの「知るを楽しむ」。
立川談志が手塚治虫を語るというので、
久しぶりにテレビを見る気になる。
立川談志は無類の手塚ファンなのだ。

少し前の雑誌「笑芸人」Vol.16に
談志が鉄腕アトムを読むという朗読CDがついていたが
これはちょっとした保存版だろうと思っている。

ところで、今日の第1回で印象に残ったのは、
手塚治虫は自分の限界を超えるために
つねに自分で「ライバル」をつくって
その自分でつくった「ライバル」によって
自分を追い込ませるというところだった。
だから手塚治虫はいつも脱皮し続ける新しさをもっていた。

ぼくにはあまりない発想である。
ぼくは自分があまりにたいしたことないものだから、
生まれてこのかた「ライバル」を持ち得たことがない。
自分なりに脱皮し続けているつもりではあるが、
方法論が手塚治虫のような天才とはちょっと異なる。
ぼくの方法論はといえば、
自分がいかに知らないか、わからないかを実感し、
そこから常に知りたい!実感したい!を求めていくやり方だ。
でもこの難点は、社会的評価云々は無縁だという点だ。
まあ、自分勝手だということなのだろう。

■山本晋也:古今亭志ん生

そういえば、この「知るを楽しむ」の
火曜日のシリーズ「私のこだわり人物伝」。
8ー9月期のテキストには山本晋也の「古今亭志ん生」があった。
テレビは見てないが、テキストは面白そうなので買ってみた。
9月がこの「古今亭志ん生」で、
8月は山折哲雄の語る「美空ひばり」。

このNHK講座の企画は、とてもカジュアルだけれど、
けっこう心ひかれるものがあって、楽しみになっている。

しかし、噺家というのは面白い。
ぼく自身、「話をする」というのが
あまりうまいとはお世辞にもいえないからかもしれないが、
座布団の上に座って一人何役もこなしながら
そこでひとつの噺の宇宙をつくってしまうというのはすごい。

今も、i-Podの1台は「VOICE」編として位置づけ、
そのなかの大半を落語にしていて、
いつでも落語を楽しめるようにしている。
出張なんかするときにもこれはなかなか重宝する。
自分のなかに噺家を住まわしているような感じがして
とっても贅沢な気分なのだ。
実際、噺をきくというのは、
ぼくのなかの仮構された噺家が
話しているということでもあるのだから。

 

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