風のメモランダム

ギター・ソロ


2005.9.6.Tue.

 

■渡辺香津美:ギター・ルネッサンスII[夢]

ギターは武満徹が愛した楽器である。
演奏は楽器の制約が多く作曲するのはむずかしいそうだが、
ギター、とくにソロで演奏される曲のなかには、
ほんとうにいつまでも聴いていたくなるようなものが少なくない。
というか、早い話、ぼくはギター・ソロが好きなのだ。

ここ数ヶ月、このアルバムをおりにふれてよく聴く。
渡辺香津美は二十代の頃よく聴いていたが最近はそうでもなくなっていた。
久しぶりの出会いが昨年の「ギター・ルネッサンスI」との出会いだった。
といってもこれは2003年の発売なので気づかなかっただけ。
そして今年はこの「ギター・ルネッサンス」の第二弾が発売された。
少し耳をそばだてていたので、うまくリアルタイムで見つけることができた。
「I」にも収録されていたがぼくの大好きなDjango ReinhardtのMinor Swingも
今回はライブ録音で収録されている、どちらもうれしいノリだ。
これを聴くとなぜか、勅使河原三郎の舞踏を思い出したりもする。

■村治佳織:Cavatina

村治佳織のアルバムを聴く機会があった。
ギターソロである。
以前、「グリーンスリーブス」を聴いたことはあったが
そのときには気持ちいい演奏だなあというくらいの印象だった。
今回は、このところいろんなギター・ソロを聴いていることからか、
少し前にきいた「レスブランドール」を気に入っていたことからか、
このアルバムに収められている曲にしばし聴き入ってしまう。
若きギタリストの才能を少しばかり羨みながら。
このギタリストの10年後、20年後の音を聴いてみたいと思った。
若き渡辺香津美が今弾いているギターソロを聴くことができるように。

アルバムタイトルにもなっているCavatinaは、
映画「ディア・ハンター」のテーマ曲で、
いろんなギタリストが演奏している名曲。
数年前にも、バルエコの演奏しているのも素晴らしかったが、
村治佳織のCavatinaは、静かに静かにしみわたってくる。

やはり静かに耳を開いていたいときには、ギター・ソロがふさわしい。

 

 ■「風日誌」メニューに戻る
 ■「風遊戯」メニューに戻る
 ■神秘学遊戯団ホームページに戻る