個性の共存ということは、論理の上では成立しない矛盾である。
私は共同の作業を試みることで、その矛盾を克服しようとする
ものではない。反って、激しい矛盾を体験することによって、
真の存在を知ろうとするのである。二つの異なるものを調和さ
せるように努めることは、生きることの訓練ではないか。その
矛盾は運動をうみ、そこには空気が通う。
(ーー「自然と音楽ーー作曲家の日記」『音、沈黙と測りあえるほどに』)
音と沈黙は共存し得るか
有と無は共存し得るか
生と死は共存し得るか
神と悪魔は共存し得るか
光と闇は共存し得るか
混沌と秩序は共存し得るか
論理と矛盾は共存し得るか
物質と精神は共存し得るか
モノとコトは共存し得るか
線形と非線形は共存し得るか
感情と思考は共存し得るか
アナログとデジタルは共存し得るか
平均律とミーントーンは共存し得るか
キリスト教と仏教は共存し得るか
日本人智学協会と日本アントロポゾフィー協会は共存し得るか
男と女は共存し得るか
愛と憎は共存し得るか
わたしとあなたは共存し得るか
わたしは一個の矛盾である
私は果たして成立するだろうか
わたしという矛盾が矛盾ゆえに遊戯する不思議 |