風のDiary
2011.5.17.Thu.
静かな映画と激しい映画

対照的な映画を観た。
静かな映画と激しい映画である。

静かな映画は『マザー・ウォーター』。
激しい映画は『十三人の刺客』。

『マザー・ウォーター』の監督は、
『めがね』や『プール』にもかかわった松本佳奈。
出演は、小林聡美、もたい まさこ、市川 実日子
加瀬 亮、市川 実日子、光石 研といったおなじみのメンバーに
小泉 今日子が加わっている。
エンディングテーマは大貫妙子が担当。
おもしろかったのは、風呂屋で寝ている赤ん坊に
もたいまさこが歌っている曲・・・
どこかできいた・・・と思っていたら、
ハンバートハンバートの「同じ話」。

おなじみのごとく、ひたすらたんたんとした、
そして気持ちよくなごむ話である。

それに対して、『十三人の刺客』の監督は、
『クローズZERO』『ゼブラーマン』『ヤッターマン』などの三池崇史。
出演は、役所広司, 市村正親、山田孝之, 伊勢谷友介,
伊原剛志, 松方弘樹、稲垣吾郎。
なかなか味のある配役と演技。
個人的には、伊勢谷友介と稲垣吾郎が変な役でいい。

「江戸時代末期。老中・土井利位より明石藩主・松平斉韶暗殺の命を下された島田新左衛門は、
甥の新六郎ら腕に覚えのある刺客を集め、300人を超える明石藩の軍勢に戦いを挑む」
というひたすら壮絶な剣劇アクション映画である。
ひたすら戦い続けるシーンが続く。

それぞれのキャッチフレーズは、
『マザー・ウォーター』
「あしたへは、ダイジなことだけもっていく」
『十三人の刺客』は、
「戦わなければ変わらない」。

ある意味、きわめて平面的な
マザーとファーザーの対照であって、
どちらもきわめて、「ファンタジック」な世界なのだが、
この二つの極というのは、
いろんなところでまさに男女の無意識層のある部分を象徴しているところがある。

マザーは、静かな水の流れを聴きながら、
「あした」を楽観しながら生活していくゆとりをもとめ、
ファーザーは、ひたすら戦いながら、正義・正道を求め、
未来をなにがなんでも変えようとする。

もちろん、個人的にいえば、戦うのは苦手で止しておきたいのだが、
自分のなかにはその二つがどこかに眠っていることだけは覚えておきたい。
そうした「種」を破壊的な方向に育てないためにも。