2013.9.29

☆「飛翔する宝玉?ギンヤンマ・チョウトンボなど」

この夏、7月と8月に見ることのできたその他のトンボたちの画像です(主に自然保護センターにて)。(撮影は今回すべてKAZE)

トンボ類の特徴は、なんと言ってもあの複眼。一万個以上の、小さな粒々のような個眼の集合体・・!とんぼのめがねは水いろめがね 青いお空をとんだから・・♪の歌なども思い出しますが、種類によって、そして光の具合によって、色合いも、輝きもさまざま、内部にいろいろな紋様が透けて見えたり、と、まさに元祖蜻蛉玉◎◎。蝶が飛ぶ花(翼ある花)なら、トンボは飛ぶ宝石、と言われたりするというのも肯けます。

さまざまな色彩にきらめく蝶や蛾の翅に現れる現象が、R・シュタイナーの言うように、宇宙への霊化の最初の段階(GA230 第5講など)なのだとすれば、蝶よりもがっしりした体つきに、体のわりに華奢な、鱗粉のないほとんど透明な翅を持ち、水中で幼虫の時を過ごすトンボは、光の存在であるという蝶たちよりももう少し、重力圏に下降した存在なのでしょう。トンボが卵からヤゴを経て成虫になるまでの期間は、種類によって異なるそうですが、水中で過ごし、終齢幼虫となったヤゴは、食べるのをやめて水中から体を乗り出し(完全に水から出るものも)、じっと静かに羽化の時を待つ・・小さかった眼が徐々にふくらんで、透明感と輝きを増していき、やがてりっぱな複眼となる・・羽化と同時に、色彩のゆらめく複眼が結晶化するとも言えるでしょうか。

青虫や毛虫からさなぎを経て蝶や蛾となる鱗翅類をはじめ、トンボやセミ、甲虫、などなど、メタモルフォーゼする昆虫たちはたしかに、闇を経て光(宇宙)へと羽ばたく存在。そして、飛翔するものたち、蝶など昆虫類(と鳥類)の活動はいわば、地球生命圏をめぐる精神活動(蝶類は宇宙の記憶、鳥類は宇宙の思考)を具現している、というのも、ある種詩的な神秘学的事実として、思い描くことができるように思えます。

*以下、画像について

◎飛翔するギンヤンマ。輝く黄緑の複眼と胸部(オス♂の腹部の付け根は明るい水色)。水面を飛び続けて留まらない。大型ヘリコプターの機体を連想するようなボディ。8/25 
◎ギンヤンマのペアがいわゆる「おつながり」状態で産卵中。かなり遠く、水草の色と溶け合っているようだけれど、なんとか写っていた。8/25
◎同じくギンヤンマ♂  わたしは飛翔写真はあきらめ、野鳥観察用双眼鏡でシルエットを追いかける。 8/25
◎同じく産卵中のギンヤンマペア。正面より。8/25
◎チョウトンボ♂。
◎トンボ類にしては大きめの(蝶のような)黒い翅が印象深い。オス♂は青~紫、メス♀は一般に銅色のメタリックな光沢。7/7
◎同じくチョウトンボ。
◎オオシオカラトンボ♂。シオカラトンボより少し大きめで全体に青みが強い。画像ではわかりにくいけれど、後翅の付け根がこげ茶色。最初はシオカラトンボと思い込んでいた。7/7
◎モノサシトンボ。メタリックな光沢は控えめながら、黒っぽい地に綺麗な水色。左右に突き出た眼も愛嬌あり。7/7
◎キイトトンボ♂。文字通り黄色の糸トンボ。わたしは初めて見て、色合いの美しさにびっくり。四万十川にはたくさんいたらしい。翅はごく薄く透明なので、たたんで留まるとほとんど楊枝のよう^^。
◎オニヤンマ。今年は何度も見かけるものの、写真は撮れず、これは去年の7月末、鯉が窪湿原にて。おなじみ黒地に黄色の環状紋。山道などで低く飛んでくるのに出会うと、孔雀石(マラカイト)めいた深く鮮やかなグリーンの複眼に見入ってしまう。