2013.3.19のmemo

☆イカル Eophona personata

毎年のように訪れている梅の里。小高い丘陵地に、14種あるという梅が咲きそろうと、さまざまな花色が繊細な濃淡で香しい空気に溶け込み、なんとも麗しい景色。この日まだ梅は三分咲き。でも人出も多すぎないだろうし、イカルなど鳥たちとの出会いを期待して出かけたら大正解。遊歩道を登り始めてすぐに、檜(?)の葉陰であまり聞き慣れない地鳴きが聞こえ、しばらく目をこらすと木のてっぺんにイカルを発見。枝葉に半分隠れていたけれど、少し坂の上にいたKAZEサン、なんとか撮影に成功。ここではいつもあの魅力的な声が聞けるのに、めったに姿は見えず(23センチと大きめだけれどすぐに飛び去ってしまう)、遠くの木にでも見つけることができればラッキーという感じだったので、嬉しいお出迎え。その後も、透き通った笛のような声は、梅の花の香り漂う丘の遠く近くに響き、梅の枝ではカワラヒワ、杉の林ではヤマガラの高らかなさえずり。夏鳥のサンコウチョウ(三光鳥)のさえずりを、ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイホイ…と聞きなす、というのは有名だけど、イカルの声もツキ、ヒ、ホシ、と聞こえるので、イカルにも三光鳥の異名があるとか。のどかな、時に哀調を帯びた歌うような声は、ヒー、ホー、ヒー(高~低~高)というような抑揚で、ツキー、ヒー、ホシー、と聞こえなくもないような^^;。グレー、白、黒に目立つ黄色い大きな嘴、黒い仮面をかぶったような、髭づらみたいな顔(チョコボールのキョロちゃん^▽^)。 学名のEophona は暁の声。しらじらと明け初める時、月と日と星と、(可視も不可視も)光かそけく織りなされ、キョロちゃんたちの仮面舞踏会・・・と、妄想は膨らむ(^^:)。明日は春分、夜には上弦の月。
   
    春の日の長閑にかすむ山里にものあはれなるいかるがの声                                  寂蓮『夫木和歌抄』

        参考:『俳句と詩歌であるく鳥のくに』風信子著/文一総合出版