ルドルフ・シュタイナー

エソテリック講義の内容から
参加者の覚え書き
GA266

佐々木義之 訳

 


秘教講義 ミュンヘン11-01-1906

  アシュラは古い「土星」上において取り残され、悪魔的な火の霊は古い「太陽」上で取り残された。火の霊の摂政はキリストである。ルツィフェル的な霊は古い「月」上で停滞した。ルツィフェルはレムリア期に活動し、地球進化の中に含まれ得るが、人間に独立と叡智への熱情を与えることで解放者としての働きをした。悪魔的な妨害の神々はアトランティス期にその働きを開始した。アシュラは後アトランティス期において最初の介入を行う。彼らはこの上なく退廃的であり、主として性愛と肉体の中にその働きを及ぼす。今日の多くの性的倒錯はこの強力な流入に帰せられるべきものである。あらゆる妨害の力は現に存在し、未だ不完全なものにしがみつきながら、それらを完遂するとともに強化しようとする。ルツィフェルは独立性と利己的な自我性を付与した。利己主義、錯誤、そして動物的な愛は、自我性、叡智、そして最高の精神的な愛の最初の表われである。私たちはそれぞれを変容へともたらさなければならない。性の分離は第3根幹人種において生じ、第6根幹人種において克服されることになるが、これは第6亜人種において準備されなければならない。人間の生殖力は変容されるが、そのようなものとしての生殖力は直に神的なものであるがゆえに私たちが有する最も神聖なものである。私たちが泥沼に引きずり込むものがより神的なものであればあるほど、その罪はより深くなる。将来、私たちの心臓と喉頭は生殖器官となる。ちょうど「言葉」がキリストイエスの中で肉になったように、キリストの世界が完全なものになるとき、肉が言葉にならなければならない。それは聖杯、聖なる愛の槍の秘儀であり、再びイブとひとつになる受胎させる太陽の光である。薔薇十字会の秘教同胞団は来たるべき時代のために人間の物質的なものが教育されるための神学校である。特に暗い時代には特別に明るい光がいつも生じなければならない。キリストはオリフィエルの時代に生まれた。オリフィエルが再び支配するとき、クリスティアン・ローゼンクロイツによってもたらされ、今拡がっている精神的な光が、ひとつの目的に向かって意識的に働く先駆者たちである超感覚的な能力を持つ多数の人々を生じさせているだろう。このことは善き人種と悪の人種への分裂を生じさせることになる。第5根幹人種は悪によって消滅するだろう。善と悪とはまだ比較的未分化の状態にあり、肉の背後にあって誰が悪で誰が善かを見分けるのは難しい。主の力とそれに全力でかつ全ての意志をもって加わる人々の力、そして、妨害する神々やいわゆる不正な富(サタンとアシュラ)とその人間の追随者たちの力が人間生活と地球の進化にますます強力に介入するとき、善は神的な善へと発展し、悪は恐怖の反キリストへと発展するだろう。そのとき、私たち一人一人は世界の助力者を、そして、苦や悪を克服することによってのみ得ることができるすべての強さを必要とする。そのような認識によって人々をこの戦いへと召喚し、戦いの中で彼らに平安を与える、というのが神智学と薔薇十字会の目的である。