note27:
・中心点から外へ向かい希薄になっていく物質的作用
・天球周縁から宇宙点に達し
 無限に拡がる球面面積を持つ点となるエーテル空間の作用

<ジョージ・アダムス 『エーテル空間』からの引用>

今度は、この空間と反空間のなかに作用するプロセスについて考えましょう。たとえば
ひとつの中心点から外へ向かう物質的作用、点領域のなかにその力の源を持つ物質作用
を考えましょう。その作用は外へ向かって絶えず球状に拡大していきます。外へ向かえ
ば向かうほど、それはますます希薄になっていきます。その作用は点から出発し、“面的
な拡がりのなかで消えていきます”。
(P.54)
エーテル空間の場合にはこれと反対のプロセスになります。私たちはエーテル的中心の
なかに ー つまりこの場合には無限の天球周縁のなかに ー エーテル的作用の源を
思い浮かべることができます。この作用はいわば天上の故郷を後にして、絶えず収縮し
ていく球面となり、宇宙点へ向かって作用します。ここで私たちは感じ取らなければな
りません ー その球面の半径が小さくなっていけばいくほど(これは物質的な見かけ
上のことですが)エーテル的球面は大きくなっていくということを。このプロセスは、
宇宙点に達するとき、無限の内へと成長します。これは“中心点へ向かって消えていく”
プロセスです。このプロセスは、物質的球面が無限の周縁へと成長しつつ消えていくプ
ロセスに対応しています。こうして私たちは宇宙点を、もはやゼロ点としてではなく無
限として、巨大なものとして捉えることになります。ルドルフ・シュタイナーの逆説的
なことばを借りるなら、それは“内へ向かう、果てしなく拡がる球面面積を持つ点”です。
(P.54)

<note27>
◎物質空間と反空間(エーテル空間)のなかに作用するプロセスを見てみる。
この2つの作用はまったく反対になる。
◎物質的な作用では、ひとつの中心点から外に向かうと、
球状にどんどん外に向かって拡大していき、拡大すればするほどその作用は希薄になっていく。
シュタイナーはそのことを、その作用は点から出発し「面的な拡がりのなかで消えていきます」といっている。
◎反空間(エーテル空間)では、物質的な作用とは反対に、
無限の天球周縁であるエーテル的中心から収縮していく球面になり、宇宙点である中心点に向かって消えていく。
しかし、物質的に見るとその球面の半径は小さくなっていくが、
エーテル的球面は大きくなっていき、宇宙点に達したとき、無限の内へと成長する。
◎宇宙点は、ゼロではなく、無限に巨大なものとしてとらえる必要がある。
シュタイナーはそれを「内へ向かう、果てしなく拡がる球面面積を持つ点」といっている。