note26:
・ポジティヴな物質空間とネガティヴなエーテル空間の質的反転
・物質空間の容積としての球(点)と
  エーテル的な球の内部空間としての平面
・物質空間における球面外部の無限空間=エーテル空間の容積
・物質空間における球面内部の容積=
 エーテル空間的には空っぽ・内への空虚

<ジョージ・アダムス 『エーテル空間』からの引用>

 エーテルの力とその実体に関するこのような理念を、すでに私たちは球の例に即して
描写することができるようになっています。球の例は私たちにとって不可欠です。なぜ
なら他の形態に比べて、まさに“球”は、物質的なものとエーテル的なものとの均衡をもっ
ともよく保っている形態であるからです。(ルドルフ・シュタイナーはこのような性質
を持つ球を、ポジティヴな空間からネガティヴな空間への移行を媒介する“ゼロ球面”と呼
んでいます)。
(P.52)
私たちの球を、まずは物質空間の容積として考えましょう。すでに述べたように、これ
は点的な容積です。(・・・)これに対してエーテル的な球空間 ー 空っぽの物質的
空間をともなう残り全部の空間 ー は、平面あるいは平面的な部分領域から構成され
ています。
(P.53)
点が球内部の物質空間全体のなかで自在に動くことができるように、平面は ー エー
テル的思考にとっては“内部空間”となる ー “外部空間”を自在に動くことができます。
中心点が、球面によって外部へ向け閉じられている有限の物質的容積の中心であるよう
に、無限遠平面は、エーテル的球の有限の容積にとっての周縁中心です。このエーテル
的球の容積実質は外から内へ向かいます。
(P.53)
私たちはここで“空っぽ”の空間とかかわることになります。物質的な意味での無限から
球面へ向かうものは、エーテル空間にとっては有限の容積実質であり、球面から宇宙点
へと向かうものは、エーテル空間の無限です。こうして私たちは、ネガティブに満たさ
れた空間の正確な理念を獲得します。物質空間とエーテル空間はプラスとマイナスの関
係にあります。物質的なものにとっての球面外部の無限の空虚な空間(球面内部の有限
容積を除いた全空間)は、エーテル的なものにとっての容積であり、物質的なものにと
っての球面内部の容積は、エーテル的なものにとっての空っぽの空間、つまりエーテル
的な有限容積に含まれない無限の“内への空虚”なのです。
(P.53-54)

<note26>
◎「球」は、「物質的なものとエーテル的なものとの均衡をもっともよく保っている形態」である。
そうした性質を持つ球を、シュタイナーは
「ポジティヴな空間からネガティヴな空間への移行を媒介する“ゼロ球面”」と呼んでいる。
◎物質空間とエーテル空間はポジティヴ(プラス)とネガティヴ(マイナス)として
質的に反転していることを踏まえながら、この球を例として、物質空間とエーテル空間をわかりやすく比較する。
◎物質的なものとしての点がエーテル的なものとしての平面と対極にあることからもわかるように、
球は、物質的には容積をもった空間、つまり点的な容積であるが、
それに対してエーテル的な球空間は、平面またはその部分領域から構成されている。
◎物質空間において、点が球の内部を自在に動くことができるように、
エーテル空間にとっての内部空間である平面は、外部空間を自由に動くことができる。
そして、物質空間において、その中心点が球の容積の中心であるように、
無限遠平面は、エーテル的球の周縁中心である。
◎球面の内部と外部の関係を物質空間とエーテル空間で比較すれば、
二つの空間が質的反転していることからすると、
物質空間における球面外部の無限の空間は、エーテル空間的にはその容積であり、
物質空間における球面内部の容積は、エーテル空間にとっては無限の「内への空虚」、からっぽの空間である。