note15:
死後、私たちは太陽の領域へ、星々の領域へ向かい周縁的なもののなかで生きる

<ジョージ・アダムス 『エーテル空間』からの引用>

 ルドルフ・シュタイナーは言っています。その空間は(たとえば人間のエーテル体の
内における)太陽的な働きを考える際にも、さらには天体としての太陽そのものの働き
を考える際にも考えに入れなければならない空間である、と。
(P.34)
 この世に生まれ落ちる前、あるいはこの世の生を終えたある段階で、人間存在が地球
空間とまったく異なる“空間”のなかでどのように生きるかに思いをめぐらすなら、私たち
もやはり内的な体験において、(…)“周縁空間”の理念をより身近に感じるようになるで
しょう。私たちは太陽の領域へ、星々の領域へ向かいます。私たち人間は、ここ、中心
点を起点とする地球の物質空間のなか、地上の身体のなかに生きるように、そこでは周
縁的なもののなかに生きるのです。ルドルフ・シュタイナーは1921年10月21日
の講演のなかで、この世を去った人間がどのような体験をするかについて次のように語
っています。

  かつて私たちを遠く取り囲んでいた周縁世界のなかで、私たちは、私は
 いまそのまっただなかにいると感じます。そして、かつて私たちがその上
 に立っていた地上の世界を、私たちは私たちの中心的な外的世界と感じます。

要するに、私たちの現実的な体験にも、“中心的な外的世界”と言えるような世界があると
いうこと、無限の拡がりへ向かう視線ではなく、内へ向かう視線、ひとつの中心点へ向か
う視線があるということなのです。
(P.36)

<note15>
◎私たちが通常生きていると思っている世界、つまり外的な物質的世界では、
note14にもあったように、あらゆる空間事象は、中心点から無限遠へと放射状に拡がっていく、
つまり私たちの身体を中心点とすると、どこから無限に向かう外向きに拡がっていく空間があるとされる。
◎しかし、私たちはその世界だけを生きて体験しているわけではない。
「内」へ、「ひとつの中心点」へ向かう「中心的な外的世界」という世界がある。
◎私たちは、生まれる前および死んでから後、
もちろん物質的な肉体は外的な物質的世界のなかに存在しているが、
内的には「中心的な外的世界」である「太陽の領域へ、星々の領域へ」と向かい、「周縁的なもののなかに生きる」。
◎シュタイナー:(この世を去った人間は)かつて私たちがその上に立っていた地上の世界を、
私たちは私たちの中心的な外的世界と感じます。
◎ユークリッド幾何学と非ユークリッド幾何学における空間の関係の相違は
単に数学的な記述であるというだけではなく、
空間と反空間、物質的空間とエーテル空間における体験という対極的な体験であり、
同時に私たちの外的な物質的空間における体験と内的なエーテル的な空間における体験として理解できる。
そしてそれは、私たちの生前と死後における対極的な体験の仕方でもあるのである。