「白痴(イディオット)」はグルジェフ独自の用語で、彼によれば人間は すべて何らかの種類の「白痴」であり、自らの「白痴」性とそのタイプを 認識することはきわめて重要であるとして、特に後年、パリのグループで は、「白痴の晩餐会」を頻繁に開いて、それを知る一助とした。 (ジェイムズ・ムア『グルジェフ伝』浅井雅志訳 訳注より 平河出版社 2002.3.15発行/P209) ぼくはどのような種類の白痴なのだろう。 そのことを思いめぐらすために 自分がいろんなところでどのような「反応」をしているか、 を思い返してみると、 かなりの種類の白痴が激しく踊っているのを目にすることができる。 それはある意味ではかなり苦しく赤面を禁じ得ない類のものだが、 少なくともそういう鏡をもたないまま踊るよりも 少しは救いがあるかもしれないと思いながら、 みずからの白痴辞典のようなものに 新たな項目を追加したりもしている。 ある特定の状況のなかで 決まりきった防御をしようとする白痴。 自分の言いたいことを吐き出さずにはおかないという白痴。 相手よりは自分をましな存在であると思い込みたい白痴。 逆に卑屈なまでに人に対する白痴。 人から何も言われたくない白痴。 感情を殺して自虐的になる白痴。 ときには、自分のなかで、 さまざまな白痴たちの晩餐会を開いてみるのも一興かもしれない。
|
■「風のトポスノート401-500」に戻る ■「思想・哲学・宗教」メニューに戻る ■神秘学遊戯団ホームページに戻る |