ゲーテの ーーある力が、庭の中で、薔薇となって咲き、まさにその同じ力が、 人間の中で詩となって表現されるーー この言葉をタゴールは引用して、「この力はすべての人の中に現に働い ている」と受けつつ「ごくあたりまえの事も、生の特別の状態で、特別に 実感されるとき、それは、ある光のように、突然、われわれを驚嘆させる。 まさに、あたりまえの事を、特に新たに知ることができたとき、その驚嘆 は特に強く、衝撃を与える」といいます。 (吉増剛造「詩をポケットに」(上) NHKのカルチャーアワー・テキスト/P96-97) 驚嘆し得るものを求めて 地の果てまで旅する必要はないだろう。 驚嘆の種はひとしくわれわれの内に蒔かれ、 時を待っている。 われわれの気づく時を。 私がここにいる。 世界がそこにある。 その奇蹟に気づき、 その存在させている力を実感する時。 私はその前でただ涙を流す。 そして、あなたがいること。 それは希有の奇蹟となる。 愛さずにはいられない。 妙なる音楽が 私の内から流れ出す。 愛する力はどこからくるのか。 愛する自分さえいれば、 あらゆる力がそこに注ぎ込まれる。 そのとき人はあらゆるものの内にあり そこに響き渡る力の働きに気づくことができる。 |
■「思想・哲学・宗教」メニューに戻る ■神秘学遊戯団ホームページに戻る |