風のメモワール7

若冲展


2007.5.29

この日曜日(27日)、
京都の相国寺承天閣美術館で開かれている
『若冲展』に出かける。
久しぶりの京都行きになった。
あの「動植綵絵」三十幅が目当てである。
若冲ファンになったのは、yuccaの影響で、
今回もyuccaが新聞でとりあげられていたのを見て、
開催が来週までと知り、来週は仕事でダメというのもあり、
それならば!と思い切ってでかけることに。

この朝、折り悪しく?市民大清掃があり
早朝から草むしりなどに参加。
その後、大急ぎで出発、昼頃に京都に到着。
お昼をどうしようかと相談していたが、
早めに若冲さんを拝んでからということで
早速、相国寺に・・・ということにしたが、
それが誤算か、正解か・・・。

相国寺に着くとそこは長蛇の列。
まさかここまで混雑しているとは、とは思いながらも、
長蛇の列の最後尾にとりあえず並ぶことに。
結局、チケットを買うまでに1時間半ほど。
そこから入場までがまた同じくらいかかり、
当然のごとく、入場しても絵の前はひとだかり・・・、
という状況のなか、飲まず食わず座らずの状況の約4時間。
人の混んでいるところには
仕事以外ではできるだけ行かないようにはしているものの
それでも、やは若冲の「動植綵絵」三十幅に襖絵は、見る価値はあった。

とくに、「動植綵絵」の色の美しさは格別で、
数百年前に描かれた絵とは思えないほどの鮮やかさ。
やはり金に糸目をつけないで最高のものをふんだんに使った絵具のためだろうか。

並んで展示されてあった「釈迦三尊像」三幅は
「動植綵絵」に比べやはり見劣りがしてはいたのものの
「山川草木悉皆成仏」の思想の背景があったからこそ
ここまで、動植物を見、描くことができたといえるのだろう。
若冲という魂はいったいどのような遍歴を経てきたのかも興味深い。

若冲を発見したというジョー・プライスは
動植綵絵の「菊花流水図」を初めてみたとき
「感極まって熱いものが込み上げてきた」と言ったそうだが、
やはりこの絵を実際に目にしてみると、
よくここまで描き続ける情熱には感服せざるをえない。
飲まず食わず座らずの4時間はさすがにきつかったものの
若冲をしっかり見ることができたのは大きな収穫だった。

しかし、列に並んでいたときに近くに同じく並んでいた方が
こういう意味のことを話していたが同感である。
「これだけたくさんの人が見にくるというのは
若冲さんもびっくりしているんじゃないか」