風のメモワール67

星野ジャパン


2008.7.18

   義理を縦糸、人情を横糸にして編み上げたような星野ジャパン。
  暑苦しいほどの熱血布陣の中で、「日の丸は絵でしかない」と言い
  放つ日本ハム・ダルビッシュは異色の存在だ。だがその実、クール
  なエースは壮大な野望に燃えている。
  ・・・
  「金メダル獲り宣言」を期待する報道陣に対しても、「金メダルは
  誰でも言えること。個々の目標はいいが、先にすることがあると思
  う。僕1人だけ勝ってもしようがないが、せめてそれくらいはした
  い」と、チェンジアップのように肩すかしを食らわせた。
  (2008年7月18日(金) 17時0分 夕刊フジ *ネットからの引用)

ダルビッシュのファンだからというのではないが、
いや、ファンだからというのもあるけれど、
「星野ジャパン」的でないダルビッシュはいいなと思う。
「日の丸は絵でしかない」というように
変な偶像をつくらないのもいい。
シラケているのでもなく、
むしろ「先にすること」というのがあるというのにも納得。

「義理を縦糸、人情を横糸にして編み上げたような星野ジャパン」とは
言い得て妙、である。
なんか、暑い夏に、なおのこと、暑苦しい。
オリンピックでこれから頻発されるだろう
「金」「金」「金」・・・とかいうマスコミの連呼も、
暑い夏をなおのこと暑くさせるんだろうなと思う。

日本の世の中が生きにくいのは、
「義理を縦糸、人情を横糸」にして
そのなかで期待を背負って否応なく頑張り続けるか、
それともそれについていけないか、リタイアして生きるかしかなくて、
その場合、自分なりの気概がなければ、
かなりつらくなるというのがある。

ほとんどの人はダルビッシュのように
努力ができるということも含んだ才能はないだろうけど、
だれでもそれなりの気概をもって生きることはできるんだろうと思う。
そんななかで、「義理を縦糸、人情を横糸」にばかりしない生き方が
だれにでもできるような世の中になればいいのにと思っている。
しかし、そのためには、「空気」に対して、
しっかり自分なりに対応できるだけの力だけは必要になる。
日本では、ある意味、いちばんむずかしい力のひとつである。