NHK「知るを楽しむ」の2月〜3月の火曜日のテキストは 
          松岡正剛による「白川静」と柳美里による「色川武大」。 
          後者はまた別にお話するとして、 
          松岡正剛による「白川静」というのは、 
          なにをさておいても読まないといけないとすぐに読む。 
        読みながら、心が熱でいっぱいになる。 
          あふれでてくる。 
          松岡正剛という人、そして白川静という人と 
          (お会いしたことはどちらもないけれど) 
          同時代人であった/あるということは大きな恵みだと思う。 
        松岡正剛によるお話の後、 
          白川静の長女「津崎史」さんの 
          「やさしかった父のこと」というエッセイを読みながら、 
          おもわず感涙してしまった。 
        津崎史さんは、仕事をやめて、『字通』の編集など 
          白川静の晩年の仕事を助けた。 
        白川静は史さんに幼い頃からこう言ったという。 
          「本を読め。しっかりした本を読めーー 
          古典といわれるものは勿論、現代作家はよい文章を読め」 
        奥さんを亡くされたときの話もある。 
          「母の葬儀のとき、少し時間をほしいと言い、 
          母との長い生活を淡々と思いをこめて振り返った挨拶をしたとき、 
          本当に母のことを尊敬し、感謝していたのだと思った」 
        そして、最後にこう記されている。 
          「父の最も好きな字は「遊」であった」 
          神様と自由に遊ぶこと。 
      「神秘学遊戯団」の「遊」も同じである。  |