風のメモワール149
スカイ・クロラ
2009.9.25

押井守監督で映画化されたアニメの影響で、
森博嗣の『スカイ・クロラ』シリーズを読み始めている。
大人にならない子ども、キルドレが、
戦闘機乗りとして空で、そして地上で生きる物語。

シリーズは全6冊。
『ナ・バ・テア』
『ダウン・ツ・ヘブン』
『フラッタ・リンツ・ライフ』
『クレイドゥ・ザ・スカイ』
『スカイ・クロラ』
『スカイ・イクリプス』

最初にでたのが『スカイ・クロラ』だが
物語の時系列ではもっとも最後にくる。
物語の最初にあたるのが『ナ・バ・テア』で
上記はその物語の時系列順になっている。
そして『スカイ・イクリプス』は短編のエピソード集。

大人になること。
子どもでいること。
空で生きること。
地上に戻ってこざるをえないこと。
生きること。
死ぬこと。
戦うこと。
戦いを避けること。
美しさと醜さ。
忘れること。
忘れられないこと。
正しいこと間違っていること。

そんなことが
読み始めたぼくのあたまのなかの
青空だけになった空間に
とてもヴィヴィッドかつシンプルに
静かに飛行機雲のように描かれていく。

森博嗣の作品を読むのは
ずいぶん前に読んだ『すべてがFになる』以来。
そういえば、とあらためてわかったけれど
森博嗣はぼくとほとんど同い年。
工学部の建築学科で教えていた。
模型好き。
大の萩尾望都ファンだそうで、
最近、『トーマの心臓』を小説化している。
以前買っていたイヌにも「トーマ」と名づけていたらしい。
高校とかでは現代国語がもっとも不得意だったということと、
「ワープロの時代になって、もの凄く助かった」というのは
才能は別として、ぼくに似ていたりする。

しかし、このシリーズ、久しぶりにのめりこんでいる感じ。
物語の筋云々というよりも、音楽に耳をそばだてているように。