『韓国』ノート

0 事始め


2002.4.7

 

韓国というのは、すぐ隣にある国なのに、
むしろとても遠い国でもあります。
小さい頃、父や親戚などからは、韓国について
あまり肯定的な話を聞いたことがなかったのですが、
それがなぜなのか実際のところよくわからなかったし、
ぼくとしては肯定ー否定という図式のなかではとらえていませんでした。
少し意識が進むようになると、ある種の差別について、
非常に悲しく思うようにはなったものの、
相変わらず、韓国についてはいわば無関心が続いていました。
 
その無関心は、おそらく無意識のうちに、
関心を持つことを避けていたのかもしれません。
関心を持たないことでそこに生じる何かを避けようとすること。
おそらくそういう無関心こそが、
日本と韓国の距離を遠くしている原因でもあり、
またある種の差別や反感を放置していることにもなっているのかもしれないわけです。
 
韓国、ハングルに関心を持ち始めたのは比較的最近のことで、
それは高橋巌さんの著書を読んでからのこと。
たとえば、『自己教育の処方箋』(角川書店)にはこうあります。
 
        もしも小学生の段階から、一週間に二、三回ずつ、一回一時間でも
        韓国語を学びますと、子どもだったら小学校五、六年生で韓国語が
        ペラペラに話せるようになると思います。(P88)
 
おそらく、戦後、日本の小学校教育に、韓国語が採り入れられていたとしたら、
現在のような日韓関係のきしみはずいぶん違っていたのではないかと思われます。
 
おそらく、韓国でこれまで強烈に続いてきた反日感情などは、
日本における差別感情や無関心などを
照らし出していたからという側面もあるのではないでしょうか。
 
フジテレビの深夜番組の「チョナン・カン」という
全編韓国語によるバラエティ番組がありますが、
これはSMAPの草なぎ剛が企画したものだといいます。
「チョナン・カン」というのは、草なぎ剛のハングル読み。
今年は話題の、日韓ワールドカップの開催というのもありますが、
やはりこうした好機も利用しながら、
韓国及び韓国語について理解を深めてみるのも
重要なのではないかと思い、ハングルを少しずつでも学びながら、
そこで発見したことについてノートを書いていくことにしたい。
 
しかしなにしろ今はまだ白紙に近い状態。
とんだ誤解や無理解などを承知の上での覚え書きになるでしょうが、
それゆえにこそ、ハングルや韓国に照らし出されていく
これまでに見えなかった何かを見つけるためのきっかけにしたいと思っています。
 
ちなみに、先日来読み始めている韓国関連のもので
面白く読んでいるものを挙げておくことにします。
今後、随時、面白かったもののご紹介もしていきます。
 
今回、韓国関係のものを物色していて見つけた
小倉紀蔵さんの著作は発見!でした。
ほぼ同世代で、しかも大学ではドイツ文学を専攻。
その後、広告会社に勤務後、韓国に留学、とあります。
 
■小倉紀蔵『韓国は一個の哲学である』
 (講談社現代新書1430/1998.12.20発行)
■小倉紀蔵『韓国人のしくみ』
 (講談社現代新書1536/2001.1.20発行)
■小倉紀蔵『韓国語はじめの一歩』
 (ちくま新書234/2000.2.20発行)
■大野敏明『日本語と韓国語』
 (文春新書223/平成14年3月20日発行)
■司馬遼太郎『韓のくに紀行/街道をゆく2』
 (朝日文庫/1978.10.20発行)
■日韓 ソウルの友情
 座談会 司馬遼太郎・田中明・渡辺吉鎔・
     鮮于ヒ・千寛宇・金聲翰
 (中公文庫/昭和63年6月10日発行)
 
 


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