『自己教育』ノート2

エポック授業


(2003.3.13)

 

 
         シュタイナー学校では、一年生から十二年生まで、朝の授業はかならず中心授
        業(エポック授業)からはじまり、専科の授業に移ります。中心授業は朝の八時
        に始まり、九時四十五分に終わります(ただし学校によって、この時間が短い学
        校もあれば長い学校もあります)。国語(ドイツ語)、計算、数学、フォルメン
        線描、幾何学、生活学、地理、歴史、生物学、物理学、化学といった授業がこの
        時間帯に行なわれます。エポック授業はふつうは三週間から四週間にわたる授業
        で、低学年の場合はさらに長いあいだ続くこともあります。これは、長い時間を
        かけて一つのテーマに集中的に取り組めるようにするためであり、このような集
        中はとても重要です。それぞれのテーマごとに、一つの要点について午前中に集
        中的に取り組み、次の日も同じテーマを深め、さらに発展させていきます。生徒
        はすばやくこのリズムに慣れます。エポック授業の基本的な考え方は、子どもの
        学ぶ力をつける方法として効果的であり、生理学的な面からもしっかり配慮され
        ています。
        (ヘルムート・エラー『人間を育てる』P29)
 
この「エポック授業」のことを知ってから、
ぼくはそれを自分なりにとりいれられないかと
いろいろとやってみるようになった。
名づけて「ひとりエポック授業」。
 
しかし使える時間は限られている。
つまり、早朝か深夜かのどちらか。
時間も1時間程度の短い時間である。
 
最初のうちは、夜更かしの癖がついているのもあって深夜型だったが、
ここ数年でようやく朝型へと少しずつシフトしていたりもする。
朝のNHKラジオ講座などもそのひとつだったりもした。
 
お気づきの方もあるかもしれないが、
このトポスで「ノート」やらと書いていたりするのも、
その「ひとりエポック授業」のひとつである。
 
なんだかひとりで勝手に書いている印象があるのかもしれないし
(じっさい、それ以外の何ものでもないのかもしれない(^^;)
テーマを深め発展させていくというにはほど遠いのだけれど、
それはそれ、ぼくじしんのレベルなりの仕方で、
その都度「ガイド」を決め、それから触発されるままに、
自分なりの考えをなんとか書いてみたりしているわけである。
この「自己教育ノート」もそのひとつ。
 
じっさいのところ、かなり断片的であることは否めないし、
ひょっとして読んでくださる方がいらっしゃるとすると、
「何を書いているのやらわからない」といわれそうし、
気まぐれに別のテーマへとシフトしていったりもするが、
ネットをはじめてから十年以上、そういうのを続けてくると、
やはり、日々、今度はこういうことを見てみよう、とかいう
テーマ探しなども心がけるようになり、
関心領域も広がってくるようになったような気がしている。
 
テーマはまったくなんでもOKだと思っていて、
ときには音楽を集中的に聴くときなどもある。
マーラーの交響曲全曲、ブルックナーの交響曲全集、
ウェーベルン全集、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏全曲、
ピアソラ作品集(ピアソラ自身の演奏による10枚組)なども
(これらはもっぱら聴くだけで「ノート」などは書かないけれど)
ぼくなりの「ひとりエポック授業」としてまとまって聴いたりもした。
 
星座だっていいし、岩石・鉱物だっていいし、植物や野鳥だっていい。
その都度興味をひかれたことを、できるだけ毎日、まとまった期間、
集中的に見ていくことで、さらにそこから、
じぶんなりの見方や展開やテーマ相互の関連などがでてくるのがわかる。
 
たとえばそういう「ひとりエポック授業」を
今一年生だとして、十二年生になるまで続けることができたとしたら、
けっこうな「自己教育」になるのではないだろうか。
 
 


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