シュタイナー学校では、一年生から十二年生まで、朝の授業はかならず中心授 業(エポック授業)からはじまり、専科の授業に移ります。中心授業は朝の八時 に始まり、九時四十五分に終わります(ただし学校によって、この時間が短い学 校もあれば長い学校もあります)。国語(ドイツ語)、計算、数学、フォルメン 線描、幾何学、生活学、地理、歴史、生物学、物理学、化学といった授業がこの 時間帯に行なわれます。エポック授業はふつうは三週間から四週間にわたる授業 で、低学年の場合はさらに長いあいだ続くこともあります。これは、長い時間を かけて一つのテーマに集中的に取り組めるようにするためであり、このような集 中はとても重要です。それぞれのテーマごとに、一つの要点について午前中に集 中的に取り組み、次の日も同じテーマを深め、さらに発展させていきます。生徒 はすばやくこのリズムに慣れます。エポック授業の基本的な考え方は、子どもの 学ぶ力をつける方法として効果的であり、生理学的な面からもしっかり配慮され ています。 (ヘルムート・エラー『人間を育てる』P29) この「エポック授業」のことを知ってから、 ぼくはそれを自分なりにとりいれられないかと いろいろとやってみるようになった。 名づけて「ひとりエポック授業」。 しかし使える時間は限られている。 つまり、早朝か深夜かのどちらか。 時間も1時間程度の短い時間である。 最初のうちは、夜更かしの癖がついているのもあって深夜型だったが、 ここ数年でようやく朝型へと少しずつシフトしていたりもする。 朝のNHKラジオ講座などもそのひとつだったりもした。 お気づきの方もあるかもしれないが、 このトポスで「ノート」やらと書いていたりするのも、 その「ひとりエポック授業」のひとつである。 なんだかひとりで勝手に書いている印象があるのかもしれないし (じっさい、それ以外の何ものでもないのかもしれない(^^;) テーマを深め発展させていくというにはほど遠いのだけれど、 それはそれ、ぼくじしんのレベルなりの仕方で、 その都度「ガイド」を決め、それから触発されるままに、 自分なりの考えをなんとか書いてみたりしているわけである。 この「自己教育ノート」もそのひとつ。 じっさいのところ、かなり断片的であることは否めないし、 ひょっとして読んでくださる方がいらっしゃるとすると、 「何を書いているのやらわからない」といわれそうし、 気まぐれに別のテーマへとシフトしていったりもするが、 ネットをはじめてから十年以上、そういうのを続けてくると、 やはり、日々、今度はこういうことを見てみよう、とかいう テーマ探しなども心がけるようになり、 関心領域も広がってくるようになったような気がしている。 テーマはまったくなんでもOKだと思っていて、 ときには音楽を集中的に聴くときなどもある。 マーラーの交響曲全曲、ブルックナーの交響曲全集、 ウェーベルン全集、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏全曲、 ピアソラ作品集(ピアソラ自身の演奏による10枚組)なども (これらはもっぱら聴くだけで「ノート」などは書かないけれど) ぼくなりの「ひとりエポック授業」としてまとまって聴いたりもした。 星座だっていいし、岩石・鉱物だっていいし、植物や野鳥だっていい。 その都度興味をひかれたことを、できるだけ毎日、まとまった期間、 集中的に見ていくことで、さらにそこから、 じぶんなりの見方や展開やテーマ相互の関連などがでてくるのがわかる。 たとえばそういう「ひとりエポック授業」を 今一年生だとして、十二年生になるまで続けることができたとしたら、 けっこうな「自己教育」になるのではないだろうか。 |
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