風釈八正道

 

共感と反感にとらわれる者よ、

汝は、道が四方八方に広がっているのに、

一本道だと信じてやまない者に似ている。

汝はみずから可能性を閉ざしているのに気づかないのだ。

目をつむったままで歩くような愚かなことはしてはならない。

しっかり目を見開き、汝の周囲に広がるすべての道を見渡し、

汝が最善の道だと判断した道を歩むのだ。

 

心の目もしっかりあけておかなければならない。

快と不快だけから理解することを戒めねばならない。

汝の心の目の見ようとしないもののなかに、

無限の宝物があるのだということを知りなさい。

 

十分に検討した言葉を口にすることを心がけなさい。

汝の口から入るものではなく、そこから出るものこそが、

あらゆる災いの種であり、毒なのだということを知らねばならない。

言葉は生きているのだということを知りなさい。

悪しき言葉は悪しき怪物を生み、汝を食い尽くすものにさえ成長するのだ。

 

汝の真の念いはいずれ形となって現われる。

それが快不快の願望であるならば汝はその奴隷となるが、

それが限りない理想に向かうものであれば

それは汝を高みへとおしあげてくれるものとなろう。

心の目を正しくし、理想の言葉から正しい理想の念いを形にしていくことだ。

 

汝の目、心の目、言葉、念いを行ないとせよ。

それは汝の認識を具体的な形とするものであり、

それこそが世界を創造するエネルギーであることを自覚するのだ。

だから決して恣意から軽率に行動してはならない。

十分に検討された行為こそが、世界を理想へと高めてくれるのだから。

また、理想のためには決して躊躇してはならない。

その迷いは行ないが真の知になっていないことを証明するものだ。

汝の行ないは、みずからを創造し、世界を創造する原動力であることを自覚せよ。

 

汝は身体をもってこの世界に生まれてきた。

汝の本質が精神だからといって、身体を大切にすることを忘れてはならない。

苦行によって身体を傷つけるような行為は

ただ愚かなものでしかないことを知らねばならない。

反対に、歓楽に身を捧げることも生命を貶めることになる。

苦のなかにも楽のなかにも真実はないのだということを自覚せねばならない。

生命は大いなる供犠であることも忘れてはならない。

生命は大いなる理想のために使われてこそその使命を全うするものであるのだ。

 

そうしたすべてを日々のみずからの糧とすることで、

みずからを向上させることを課題としなければならない。

あらゆることから学んでいくことを心がけることで、

どんな障害も認識と成長のためのエネルギーに変えることができる。

 

汝は大いなる道の途上にある

汝の周囲に広がる大いなる世界は汝を高め

汝の内に広がる世界も汝を限りなく高めてくれる

世界は豊かさに満ちている

その豊かさはさまざまなドラマに満ちていて

悪や闇にとざされているように見えることもあるが

すべては大いなる演出であることを看破することだ

ドラマを大いに楽しむことを心がけることだ

しかしながら真剣さを忘れてはならない

深刻にならず大いに遊ぶことだ

正しい道とはすべてを統合する中の道であり

それこそが遊戯そのものの表現なのだから


 

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