武久源造『新しい人は新しい音楽をする』


2002.5.11

■武久源造『新しい人は新しい音楽をする』
 (ARCアルク出版企画/2002.4.15発行)
 
はじめてそのチェンバロの音色を聴いたときから、
ぼくにとって武久源造という音楽家は特別な存在になった。
「風の音楽室」でも何度か紹介したことがあるが、
その武久源造の著書が刊行された。
 
これまでCDにライナーノートとして書かれていたものや雑誌に掲載されたもの、
それから河合隼雄との対話「体の音楽、心の音楽、魂の音楽」などが
四部構成(I「世界音楽」器/II新しい人は新しい音楽をする/
III河合隼雄との対話/IVバロックの終焉*ライナーノートより)で収められているが、
どれも深い思索に満ちていて、まるで音楽のようにぼくの耳(目)に流れ込み、
それが生命を持ったものとして響いてくる。
 
これまで読んだことのある文章はCDのライナーノートのものばかりだったので、
武久源造についてこれまで知らなかったこともたくさん知ることができたし、
その驚くほど深い思索や探究の姿勢にはあらためて深い感動を覚えている。
とくに、IIの「新しい人は新しい音楽をする」に収められている
グレングールドに関するインタビューと表題にもなっているインタビュー、
そして、河合隼雄との対話はさまざまな新たな発見に満ちていた。
これについては、追ってご紹介してみたいと思っている。
 
さて、これまでこれらのCDを(その発売される情報も含めて)手にいれるのは、
通常のCDショップでは困難なところがあって、
以前などは、そういうマイナーなCDは扱わないとか言われていたりしたが、
そのなかのコジマ録音に関するものは、Caille RecordsのHPで
直接それらの内容を確認して注文することができるようになったらしい。
http://www.02.246.ne.jp/~uzura/caille/ALM1036/index.htm
また、武久源造のCDなど各種情報が得られるHPも見つけることができた。
http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~mogami/takehisa.html
(プロフィールなどもこのHPで見ることができます)
 
最後に、本書の巻末に紹介されているCD作品からそのタイトルを
ご紹介しておくことにします。
(最初に挙げているエオリアンレコードのものなど、
何度聴いてもとても素晴らしいのだけれど、すでに手に入らない可能性もあるかも)
 
●エオリアンレコード
■チェンバロによるアリア集 シフォーチの別れ AEO-501
■オルガンによるアリア集 最愛のイエスよ AEO-509
■チェンバロによるアリア集II恋するウグイス AEO-513
 
●コジマ録音
■鍵盤音楽の領域vol.1 ALCD-1001
■鍵盤音楽の領域vol.2 ALCD-1003
■J.S.バッハ ゴールトベルク変奏曲 ALCD-1013
■J.S.バッハ オルガン曲集vol.1 ALCD-1016
■鍵盤音楽の領域vol.3 ALCD-1017
■鍵盤音楽の領域vol.4  フォルテピアノコレクションI ALCD-1019
■J.S.バッハ ヴィオラ・ダ・ガンバソナタ全3曲 ALCD-1013
■鍵盤音楽の領域vol.5 バロックの終焉 ALCD-1019
■オルガンの銘器を訪ねてvol.1/カザルスホール ALCD-1025
■オルガンの銘器を訪ねてvol.2/阿佐ヶ谷教会 ALCD-1026
■鍵盤音楽の領域vol.6 ALCD-1028
■J.S.バッハ協奏曲集/武久源造 コンヴェルス・ムジクム ALCD-1029
■アンサンブル音楽の領域 vol.1 
 バロックの華ーローマからウィーンへ ALCD-1032
■1770年代のニ長調交響曲集 ALCD-1033
■J.S.バッハ ヨハネ受難曲 ALCD-1036,1037
 
●キングレコード
■ロマンティック「月」 KICS-2246
 
●マイスターミュージック
■我が愛しの女よ(バッラータの世界) MH-1063
 
 


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