「ワタシ」が思いっきり表現できる歌の世界にいながら、ワタシが 消えていくという不可思議にも思える矛盾を、綾戸さんのステージ では味わえる。 (…) 綾戸智絵は、もしかすると、天から降ってくるなにかを受けとめて 放射するだけの「容れもの」のような人なのではないか。 (糸井重里/綾戸智絵「firiends」ライナーノーツより) おもいっきり「ワタシ」でないと、 たぶんそいう「容れもの」には なりえないんだろうなと思う。 あまりに「容れもの」が小さかったり、 穴凹だらけだと、 「天から降ってくるなにか」があったとしても、 それを受けとめることなんかできないし、 自分で受けとめたきになるだけの勘違いになって、 すごくその「ワタシ」がいやらしくなったりしてしまうから。 そして、人間であるという最高の営為というのは、 自分がどれだけその「ワタシ」という「容れもの」を 自分なりに試行錯誤してつくっていくか、 ということなんだと思う。 たぶん音楽に感動するとかいうときにも、 聴くときには聴くときなりに、 自分がそういう「容れもの」になることができた、 ということなんだろう。 綾戸智絵の音楽は、とっても不思議で、 あれだけ「ワタシ」がどんどんでているのに、 その「ワタシ」が決してぶつかってこない。 むしろそれが聴いているほうの「ワタシ」になって、 しかもその「ワタシ」もどんどんでていくことになり、 気づいてみれば、「ワタシ」というのが とっても解放されている感じになる。 たぶん、どの綾戸智絵を何度聴いても ついついまた聴きたくなってしまうのは、 聴いているそういう「ワタシ」の変容のようなものが 味わえるところがあるからかもしれない。 参考までに、現在発売されているCDアルバムは以下のとおり。 *のついたものは市販されていなくて、 綾戸倶楽部のHPから申し込める。 http://www.ayado-club.com/ とはいえ、ぼくも以下のなかでもまだ聴いてないのがたくさんあって、 まだまだいろんな発見があるという気がしている。 *A SONG for You Release:1994 *ONLY YOU Release:1996 *But Beautiful Release:2000 ■For All We Know Release:1998/6/21 ■Your Songs Release:1998/11/21 ■Life Release:1999/5/21 ■friends Release:1999/10/21 ■LOVE Release:2000/4/21 ■Everybody Everywhere Release:2000/10/6 ■natural Release:2000/10/21 ■LIVE! Release:2001/4/21 ■LIVE!2 Release:2001/10/21 |
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