綾戸智絵


2002.2.21

        「ワタシ」が思いっきり表現できる歌の世界にいながら、ワタシが
        消えていくという不可思議にも思える矛盾を、綾戸さんのステージ
        では味わえる。
        (…)
        綾戸智絵は、もしかすると、天から降ってくるなにかを受けとめて
        放射するだけの「容れもの」のような人なのではないか。
        (糸井重里/綾戸智絵「firiends」ライナーノーツより)
 
おもいっきり「ワタシ」でないと、
たぶんそいう「容れもの」には
なりえないんだろうなと思う。
 
あまりに「容れもの」が小さかったり、
穴凹だらけだと、
「天から降ってくるなにか」があったとしても、
それを受けとめることなんかできないし、
自分で受けとめたきになるだけの勘違いになって、
すごくその「ワタシ」がいやらしくなったりしてしまうから。
 
そして、人間であるという最高の営為というのは、
自分がどれだけその「ワタシ」という「容れもの」を
自分なりに試行錯誤してつくっていくか、
ということなんだと思う。
 
たぶん音楽に感動するとかいうときにも、
聴くときには聴くときなりに、
自分がそういう「容れもの」になることができた、
ということなんだろう。
 
綾戸智絵の音楽は、とっても不思議で、
あれだけ「ワタシ」がどんどんでているのに、
その「ワタシ」が決してぶつかってこない。
むしろそれが聴いているほうの「ワタシ」になって、
しかもその「ワタシ」もどんどんでていくことになり、
気づいてみれば、「ワタシ」というのが
とっても解放されている感じになる。
たぶん、どの綾戸智絵を何度聴いても
ついついまた聴きたくなってしまうのは、
聴いているそういう「ワタシ」の変容のようなものが
味わえるところがあるからかもしれない。
 
参考までに、現在発売されているCDアルバムは以下のとおり。
*のついたものは市販されていなくて、
綾戸倶楽部のHPから申し込める。
http://www.ayado-club.com/
とはいえ、ぼくも以下のなかでもまだ聴いてないのがたくさんあって、
まだまだいろんな発見があるという気がしている。
 
*A SONG for You         Release:1994
*ONLY YOU               Release:1996
*But Beautiful          Release:2000
■For All We Know      Release:1998/6/21
■Your Songs            Release:1998/11/21
■Life                  Release:1999/5/21
■friends                       Release:1999/10/21
■LOVE                  Release:2000/4/21
■Everybody Everywhere  Release:2000/10/6
■natural                       Release:2000/10/21
■LIVE!                        Release:2001/4/21
■LIVE!2                        Release:2001/10/21
 


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