ポルトガルのルネサンス音楽:マヌエル・カルドーソ

2013.5.28

「Lamentatio」
「Kyrie」

今日の音楽は、ポルトガルのルネサンス音楽の作曲家、
マヌエル・カルドーゾ(Manuel Cardoso/1566年12月11日受洗 - 1650年11月24日 リスボン)。
ドゥアルテ・ローボやポルトガル王ジョアン4世と並ぶ、
ポルトガル王国黄金時代のポリフォニー音楽の作曲家として歴史に名を残している。

パレストリーナのポリフォニー様式を模範とした厳格で洗練された様式で作曲し、
ヨーロッパ各地で発達中のバロック音楽の音楽語法を完全に無視している。
現存する複合唱様式のポリフォニー作品以外の同時代の様式によるもっと進歩的な多くの作品は、
1755年のリスボン大地震とその際の出火によって永久に失われてしまっているという。
音楽様式は ビクトリアに共通点が多く、不協和音の慎重な処理、
随所でみられる分割合唱的な書法、準固有和音的発想の和声法など。

生涯について。エヴォラ大聖堂に関連した声楽伝習所 Colégio dos Moços do Coro において
マヌエル・メンデスとコスメ・デルガーデに師事。1588年にカルメル会修道院に入会。
経歴の大半はカルメル女子修道会 Convento do Carmo の常勤作曲家兼オルガニスト。
1620年代初頭にヴィラ・ヴィソーサ大公家に常勤して
バルセロス公――後のポルトガル王ジョアン4世と交友関係に入る。

それでは、「Lamentatio」。
演奏は、Ars Nova & Bo Holten。
http://www.youtube.com/watch?v=lXhA9tVYE_Y

続いて、「Kyrie」。
演奏は、Vocal Ensemble(Dir. Vasco Negreiros)。
http://www.youtube.com/watch?v=IvbGUllk0p0