フランドル楽派:ヤーコプ・オブレヒト

2013.5.19

「Wat willen wij metten budel spelen」
「マリアよ、そなたは美しい(Beata es, Maria)」

今日の音楽は、ベルギーのヘント生まれのフランドル楽派の作曲家、
ヤーコプ・オブレヒト(Jacob Obrecht, 1457年/1458年11月22日 ヘント-1505年7月 フェラーラ)。

ミサ曲やモテットなど、主に宗教音楽の作曲家だったが、
世俗語(フラマン語やフランス語など)の歌曲や、多少の器楽曲も遺している。
様式的に見て、15世紀後半における奇抜な対位法様式の魅力的な例を提供しているといえる。
作曲の素材として好んでいたのは、当時の世俗のシャンソンである。
生前は著名だったにもかかわらず、その後の世代にほとんど影響を及ぼさなかった。
早世してしまったことに加え、16世紀にはカノン的な書法が避けられるようになったことであると考えられる。
その作品には有り余る創意がみられ、同時代のヒエロニムス・ボスなどの
フランドル美術に典型的に認められる画法と興味深い類似を示している。

生涯をたどってみると、任地はほとんどがフランドルかネーデルラントだったのに対して、
少なくとも2度イタリアにも赴任していることがわかっている
(一旦1487年にフェラーラ公エルコレ1世の招きでフェラーラに赴いた後、再度1505年に同地を訪れる)。
エルコレ1世は、1484年から1487年の間にイタリアに広まっていたオブレヒト作品を耳にして、
同時代のどの作曲家よりもオブレヒトを高く評価したという。
1504年にオブレヒトはフェラーラを再訪するが、翌年初頭のエルコレ1世の死により、雇用はされなかった。
そして、1505年にペストの大発生により、イタリアで客死する。

それでは、「Wat willen wij metten budel spelen」。
演奏は、Capilla Flamenca & Piffaro。
http://www.youtube.com/watch?v=TcBFV2XFKAY&playnext=1&list=PL09F0621746E3A172&feature=results_main

続いて、「マリアよ、そなたは美しい(Beata es, Maria)」。
演奏は、Capella Sancti Michaëlis。
http://www.youtube.com/watch?v=1MPqV2mMA9g