トレチェント音楽4:ヨハンネス・チコーニア

2013.5.14

バッラータ「Io Crido Amor」
ヴィルレー「泉をじっと見つめている間(Sus une fontayne)」
「Poy Che Morir」

今日の音楽は、トレチェント音楽の4回目。
フランスやイタリアで活躍した最初のフランドル人作曲家で、
トレチェント音楽末期の音楽家、ヨハンネス・チコーニア
(Johannes Ciconia/1373年頃リエージュ~1412年6月10日から7月12日の間パドヴァ)。

ヨハンネス・チコーニア北イタリアのトレチェント音楽とフランスのアルス・ノヴァのな折衷的な様式で、
中世音楽後期の作曲様式からルネサンス音楽を指し示し、
「アルス・スブティリオル」の音楽家として位置づけることもできる。

作品は、主に世俗音楽(フランスのヴィルレー、イタリアのバッラータやマドリガーレ)と
イソリズム(旋律を反復する一定の繰り返されるリズムに埋め込んで、
それを楽曲の基礎とする手法)を用いた宗教音楽(モテット、ミサ曲断章)。
このヨハンネス・チコーニアをはじめとしたフランドルの作曲家たちの作品は、
いわば中世音楽の終焉でもあり、新しい時代をすでにご紹介している
偉大な音楽家ギョーム・デュファイ(1400頃〜1474)が拓いていくことになる。

生涯について簡単に。リエージュ生まれで、14世紀後半にはイタリアに渡り、
チェゼーナ、フィレンツェ、アッシジ、ナポリなどを経、北イタリアに定住し
1412年に亡くなるまで聖アントニオ大聖堂のカントル(教会楽長)ならびに
少年聖歌隊員の指導者として在籍している。

それでは、バッラータ「Io Crido Amor」。
演奏は、Ensemble Project Ars Nova。
http://www.youtube.com/watch?v=n3fURdYZ6fo&list=PLEEA380053369A0E0

続いて、ヴィルレー「泉をじっと見つめている間(Sus une fontayne)」。
演奏は、Mala Punica。
http://www.youtube.com/watch?v=pxLBvNPo1N4&list=PLEEA380053369A0E0

そして、「Poy Che Morir」。
演奏は、Ensemble Project Ars Nova。
http://www.youtube.com/watch?v=rS_-ZwkXOpQ&list=PLEEA380053369A0E0