トレチェント音楽1:ヤコポ・ダ・ボローニャ

2013.5.11

「高慢な鷲(Aquila altera / Creatura gentil / Uccel di Dio)」
「我は不死鳥なりき(Fenice fu')」
「恋人にではなく(Non al suo amante più Diana piacque)」

先日は、ルネッサンス音楽より前の中世の音楽、
「アルス・ノーヴァ(Ars nova)」の代表的な音楽家のギヨーム・ド・マショーをご紹介したが、
その同時代、14世紀イタリアにも「トレチェント音楽」と呼ばれているポリフォニー音楽がある。

「トレチェント」というのはイタリア語の「300」で、
「1300年の年」つまり、14世紀のことを意味している。
14世紀のイタリアは、ダンテ、ペトラルカ、ボッカチオ、ジョットなど、
文学、思想、美術、音楽を含む文化全体がめざましく発展していった時代である。
14世紀イタリアのポリフォニー音楽は、フランスにくらべて少し遅れて発達したといわれているが、
14世紀の前半のイタリアには、目立って活躍していた3人の作曲家がいた。
マギステル・ピエロ、ジョヴァンニ・ダ・カッシャ、ヤコポ・ダ・ボローニャである。
今日はその3人のなかから、ヤコポ・ダ・ボローニャをご紹介したい。

ヤコポ・ダ・ボローニャ(Jacopo da Bologna, 活動時期:1340年頃 - 1360年頃)は、
14世紀イタリア、トレチェント音楽の初期の音楽家で、
イタリアに初めてポリフォニーをもたらした作曲家の一人。
1340年代よりミラノの僭主ルキーノ・ヴィスコンティの宮廷で活動。
上記の3人のうちでは一番高名で残された作品も多い。
ペトラルカと知人だったようで、ペトラルカの詩による作品を残している。

それでは、「高慢な鷲(Aquila altera / Creatura gentil / Uccel di Dio)」。
演奏は、Project Ars Nova。

http://www.youtube.com/watch?v=tPp8XD2Lszo

続いて、「我は不死鳥なりき(Fenice fu')」。
演奏は、La Reverdie。
歌詞の最初(英語訳)は次のようにはじまる。
「Once, when a phoenix, my life was pure and tender・・・」

http://www.youtube.com/watch?v=a-FYwWFgesU

そして、「恋人にではなく(Non al suo amante più Diana piacque)」。
演奏は、Project Ars Nova。

http://www.youtube.com/watch?v=jZGX4AWmRy8