ノートル・ダム楽派1:レオナン(レオニヌス)

2013.5.8

「Alleluya. Paraclitus Spiritus Sanctus」
「Viderunt omnes」

今日の音楽は、ポリフォニックなオルガヌム(中世ヨーロッパの合唱技法・ポリフォニーの原点)の作者として 、
12世紀にパリのノートルダム大聖堂で活躍した、
歴史上最初に名を残したレオナン(Léonin、またはラテン語でレオニヌス(Leoninus)(1150年代-1201頃))。

ゴシック期は、12世紀後半から15世紀前半にかけての時代のことをいうが、
ゴシック期音楽の主流は、先日ご紹介したギヨーム・ド・マショーを代表とする
『アルス・ノヴァ』の時期を中心として、
それ以前の時期を『アルス・アンティクァ』、以後の時期を『アルス・スブティリオール』と、
大きく3つの時期に分けて説明される。
今回ご紹介するレオナン(レオニヌス)は、
その『アルス・アンティクァ』(1160年頃~1300年頃)の代表的な音楽家。
ノートルダム大聖堂で活躍したことから、「ノートル・ダム楽派(Notre Dame school)」と呼ばれている。

レオナンは、典礼上の用途のために1年を通じておもな祝日で歌われる作品を
集大成した『オルガヌム大全 Magnus Liber 』の著者であるとされているが、
グレゴリオ聖歌の上に築かれた壮大な音の構築物で、まるでゴシック様式の大聖堂のような趣の音楽だといえる。
リズム・モードをはじめて用いた記譜法を発明したともいわれているが、
クラウズラ(グレゴリオ聖歌のメリスマ的な部分を、速度を大幅に落として定旋律に利用し、
その上声部に速い動きの対旋律をのせて作られたポリフォニー音楽)に捧げられている。
作曲家で、そのための記譜法を発明した人物とも見なされている。
(註:メリスマ/歌詞の1音節に対して、いくつかの音符を当てはめるような曲付けの仕方)

それでは、「Alleluya. Paraclitus Spiritus Sanctus」。

http://www.youtube.com/watch?v=-ZlrGzxXZaw

続いて、「Viderunt omnes」。

http://www.youtube.com/watch?v=lyzf1gBzXfI