エステバン・ダサ

2013.5.3

「Gritos dava la morenica」
「Dame Acogida En Tu Ato」

今日の音楽は、先日ご紹介したスペインの「ビウエラ七人衆」の最後の一人、16世紀後半に活躍したビウエラ奏者のエステバン・ダサ(Esteban Daza/ 1537頃-1590頃)。

1576年、バリャドリードで「『エル・パルナーソ(パルナッソス山)/Libro de musica en cifras para Vihuela, intitulado el Parnasso」』と題されたビウエラのための譜本を刊行しているが、このダサはビウエラ譜本を出した7番目で最後の人。
「ビウエラ七人衆」とは、ルイス・デ・ミラン、ルイス・デ・ナルバエス、アロンソ・ムダーラ、エンリケス・デ・バルデラーバノ、ディエゴ・ピサドール、ミゲル・デ・フエンリャーナ、そしてエステバン・ダサの7人のこと。
そのビウエラ七人衆の最後の人ということで、先日ご紹介した西川和子『ギター前史/ビウエラ7人衆』(彩流社)から、このダサのところを少しだけご紹介しておきたい。

「ダサの譜本は、国王に献呈されたのでも貴族に献呈されたのでもなく、はたまた誰か有名人に献呈されたのでもなく、ダサにとっての理想の暮らしとか、音楽仲間と音楽を奏でながら四方山話をし、今日も楽しかったね、と一日を終えることだったのです。ミランやナルバエスのような、ダサからみれば「大作曲家」の末裔に自分がつながっていく、などということは考えたこともなかったでしょう。」
「「パルナッソス山」というのは、中央ギリシアのデルポイというところにそびえる石灰岩でできた山で、不毛の山です。しかしパルナッソス山にあ、デルポイの神託というものによって、アポロン神を祭り、ミューズが住んでいるというこよかた、ギリシャ神話によれば、詩や音楽や学問の発祥の地として知られる場所です。その名前を譜本につけたのですから、その意気込みや思い入れは相当なものです。(・・・)
ダサの『パルナッソス山』は、三部かたなり、62曲が収められています。その序文には、「高貴な町バリャドリッド生まれの、プロではないひとりの愛好家が、自分の企画で出した」と記されています。」

それでは、「Gritos dava la morenica」。
演奏は、Nuria Rial (Soprano),José Miguel Moreno (Vihuela)。

http://www.youtube.com/watch?v=b5fCOZr-zzI

続いて、「Dame Acogida En Tu Ato」
演奏は、Breogán Prego。

http://www.youtube.com/watch?v=yN1HTIuv9QU