クラウディオ・モンテヴェルディ

2013.3.2

『オルフェオ』から冒頭の「Tocata」
「アリアンナの嘆き」
モダンダンス風の『オルフェオ』
「ニンフの嘆き」(La Venexiana + Jazz Trio)

今日の音楽は、ルネサンス音楽からバロック音楽への転換点に立つ
イタリアの重要な作曲家、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、歌手の
クラウディオ・ジョヴァンニ・アントニオ・モンテヴェルディ
(Claudio Giovanni Antonio Monteverdi/1567年.5.15.洗礼 - 1643.11.29)。

初期バロック音楽は、モンテヴェルディによって切り開かれ、その方向を決定づけられたといえる。
マントヴァ公国の宮廷楽長、ヴェネツィアのサン・マルコ寺院の楽長を歴任し、
ヴェネツィア音楽のもっとも華やかな時代の一つを作り上げた。
オペラの最初期の作品の一つである『オルフェオ』を作曲したほか、
声楽の分野で多くの傑作を残し、オペラやマドリガーレ、宗教音楽でも、
その後の音楽に大きな影響を与えた存在。

それでは、まず、『オルフェオ(L'Orfeo)』から冒頭の「Tocata」(サヴァール(Savall)指揮)を。
「オルフェオ」の物語は、よく知られているように、ギリシャ神話からのもの。
毒蛇に咬まれて死んでしまった妻を取り戻しに冥界へ赴いたオルフェオが、
音楽によって冥界の王たちの心を動かし、妻を連れ帰れることになったが、
帰る途上、約束に反して振り向いてしまい・・・という、
日本では古事記にあるイザナギとイザナミの神話と似た物語。

http://www.youtube.com/watch?v=yxBT1pfVAKQ

そして、クラウディオ・モンテヴェルディの2番目のオペラ『アリアンナ』で歌われるアリア、
「アリアンナの嘆き(Lamento d'Arianna (Lasciatemi morire)」。
ギリシア神話のアリアドネ(イタリア語でアリアンナ)とテセウス(伊語ではテセオ)の物語。
演奏は、Roberta Mameli(soprano),Takashi Tsunoda(chitarrone)。

http://www.youtube.com/watch?v=sKs_jIGJugE

続いて、今度は、モンテヴェルディを現代的に楽しめる、「L'Orfeo」をモダンダンス風にアレンジしたオペラを。
なかなか面白い演出が楽しめる。
指揮は、René Jacobs。Orfeo: Simon Keenlyside, 振り付け: Trisha Brown,
ダンサー達: Kathleen Fisher, Stanford Makishi, Mariah Malohey, Brandi Norton,
Stacy Matthew Sencer, Katrina Thonpson, Keith A. Thompson, Abigall Yager, Ming-Lung Yang。

http://www.youtube.com/watch?v=jb2TURdBeEQ

そして、おまけで、「ニンフの嘆き(Lamento Della Ninfa)」を現代風にジャズでアレンジした演奏。
なかなかに素晴らしい。聞き惚れてしまう。今回のイチオシ。

この曲は、1638年に出版されたマドリガーレ集第8巻
「戦いと愛のマドリガーレ」中の 「愛の歌集」に収められている、モンテヴェルディ後期の傑作の一つ。
恋人に裏切られたニンフがその嘆きを歌うというもの。
本来の曲は、3部構成で、ニンフが嘆きを歌い、
男声3声がそれに呼応する第2部を中心に、1部と3部は男声3声のみによるプロローグとエピローグとなっている。
演奏は、La Venexiana + Jazz Trio。指揮、Claudio Cavina。
Roberta Mameli(Soprano), Marta Graziolino(Harp),Gabriele Palomba & Fulvio Garlaschi(Theorbos)
Harpsichord: Davide Pozzi,Emanuele Cisi(Saxophone),Alberto Lo Gatto(Double Bass),Donato Stolfi(Drums)。
アルバム「Round M: Monteverdi Meets Jazz」2010 Glossaより。

http://www.youtube.com/watch?v=d83WpdINleE