「映画に耳を」をめぐる逍遙 05 

『フィールド・オブ・ドリームス(Field of Dreams)』(1989)

第5回目は、フィル・アルデン・ロビンソン監督の『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)。
原作はW.P.キンセラの小説。アイオワに委譲しトウモロコシ畑をつくっていた主人公に声が聞こえてくる。「If You Build It, He Will Come(それをつくれば彼が来る)」。「それ」とは? 「彼」とは?いったい。主人公は畑のなかに、野球場をつくってしまう・・・。
この映画を劇場で観たときは野球観戦の趣味もなかったけれど、冒頭の不思議なシーンから引き込まれ、夢と現実が交叉していく物語のなかに入り込んでしまい、とても胸が熱くなるエンディングへ。いつまでも心に残る映画だ。
いってみれば、Dreams come trueというシンプルな内容だし、「声」が聞こえてきてそれに従う、という話だけだととても安易な感じがするのだけれど、おそらく「声」が問題ではなく(宗教的には、calling(召命)とでもいえるのだろうけど)、夢なのか現実なのかわからないにしても、主人公が自分のなかのなにかに目覚めそれに向けて格闘するというプロセスの真実がしっかりと描かれているところに共感させられるところがあるのだろう。ぼくは自分のなかのどんな「声」に応えようとしているのかと自問自答し、「決してあきらめないこと」。
主演はケヴィン・コスナー。音楽は、ジェームズ・ホーナー。
ご紹介するのは、その「If You Build It, He Will Come」という「声」が聞こえてくる印象的なシーン。すべてはここからはじまっていく。

http://www.youtube.com/watch?v=5Ay5GqJwHF8

そして、これは音楽のみ。ケーナのような音からはじまりオーケストラ、そしてホルンの音が入ってくる・・・とても印象的な思い出に残る音楽。

http://www.youtube.com/watch?v=KjLAPavRcJQ&list=PL30D574EA5068E409