石は語る

「志津木鉱山跡・アタカマ鉱」

山口県萩市 2003.9.21)

topos-ml 9824 「緑の洞窟、ミニアチュア晶洞・・」(2003.9.23)by yuccaより
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萩美術館での浮世絵美術展など、最近2度も萩に行って
ちょっと親しみを増していたこともあって、
鉱物関係のサイトなどから萩市近辺の鉱山跡をチェック、
実を言うと、萩美術館での小山富士夫関連の陶芸展も気になっていたのですが、
今回は、鉱山跡観察あわよくば採集、に的を絞ることにしたのでした。
 
http://homepage2.nifty.com/katakura/Tp/T4/20020916.html
 
しつこかった残暑もやわらぎ気持ちの良い快晴、
でも遠い台風の影響か、かなりの強風で、アズライトふう藍色の日本海は、
大きくうねり、あちこちであざやかな白波を立てていました。
萩市の西、銅の二次鉱物アタカマ鉱が見られるという志津木鉱山跡
のある海岸に辿り着き、海岸を歩き始めたときも
かなりの風で体がふらつくほど。
緑色を吹いた露頭、ズリ跡(上のカタクラ探検誌にあるA地点)に
ようやく着いてからは道の痕跡らしきものもなくなり、ひたすら岩場歩き・・
幸いに風も少し和らいだものの、足場を確保するのに
緑の石のごろごろするのを眺める余裕もあまりなく、
どうにかB地点近くに到達、ちょうど東に萩城址のある指月山が見え、
志津木鉱山も音を同じにしたのかなーとか思いながらひと休み、
ふと大きな岩に走る白い脈など辿ると、
隙間に小さな水晶や長石らしきものがびっしり、
よく見るとあたりの岩の隙間どれもこれも、みんな小さな晶洞なのでした!
幅数ミリ、最長でも1センチ足らずでも、ちゃんと柱面のある六角錐の
クリアな水晶がきらきらと・・
 
そしてその向こうの洞窟が目指すB地点、先に入ったKAZEがうわぁーと歓声、
ほんとうに洞窟の内部全体が目の醒めるような緑色、まさに”緑の間”・・!
これがアタカマ鉱・・!?としばし見とれ、苔のように付着した石を
1,2個拾い、先ほどの小さな晶洞のついた岩も、猫の頭くらいの大きさのものを
見つけて、また岩伝いに海岸をもどりました。
 
アタカマ鉱(緑塩銅鉱)、それまで名前もしらなかったのですが、
Cu2(OH)3Cl、塩素を含むハロゲン化鉱物で、
色、外観、産状は孔雀石、プロシャン銅鉱などとよく似ている
ということで、日本では海岸の銅鉱床の酸化帯から多く産出、
海水中の塩素がこの鉱物生成の原因となっているというのは
なるほどでした。
 
だいたい鉱山、というと山の中、というイメージが強く、
海岸近くの鉱山跡というのもあまりぴんときていなかったほどなので、
この志津木鉱山は緑の洞窟と晶洞とともに忘れられないものになりそうです。。

 

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