大地逍遙

鯉が窪湿原4「夏」

(岡山県哲西町 2003.8.23.)

 
掲載写真は上左より順に、「オグラセンノウ」「シラヒゲソウ」
「ビッチュウフウロ」「サワギキョウ」「サギソウ」「サワヒヨドリ(蝶の名前は?)」
 
*以下の文章は、yuccaによる/ML#9754 (2003.8.24付)より

哲西町にある鯉が窪湿原、5月に黄色いリュウキンカの花を見ましたが、 今回はさまざまな夏の花を見ることができました。 紅がかった紫の小さな花をいっぱいつけたエゾミソハギが あでやかで、たくさんのサワギキョウは 深い青紫の花をまといながら夏草の間からすっと立つ趣き、 筋のある桃色の花びらのちいさなビッチュウフウロも いっぱい咲いていて、その間にオグラセンノウの赤・・! オグラセンノウは赤いナデシコに似た花で、 世界でもここと北九州、朝鮮北部と 分布が限られている珍しいものだそうですが、 以前夕闇のなかでぼんやりとしか確認できなかったのが 今回はかなり近くで見ることができました。   シュタイナー『農業講座』で言われている 赤い花色は火星の力によって生み出されるというのを 思い出しますが、赤と言っても、オグラセンノウの赤は 陰りのないほんとうに明るい赤で、緋色というのか、 朱のような黄味もなく、しかも柔らかく なんとも不思議なAura を放っているようでした。   湿原保護のため近くまで寄って写真撮影などできないのですが、 シラヒゲソウは、なんと遊歩道近くに咲いているのが見つかり、 KAZEがアップで撮ることができました。 5弁の花びらに細かい切れ込みがあって 一度見たら忘れられない白い小さな花・・・   帰途、東の夜空にのぼってきた火星の色は 見たばかりのオグラセンノウの花の色とはちがう感じでしたが、 金属の語る宇宙詩のなかで、鉄の故郷ははるかな火星領域、そして 植物の根から発した火星ー鉄の作用力と花の赤・・・ 火星ー鉄ー赤い花の親和力を思わずにはいわれない一日でした。     ところで、花の色として現れるものは、とくに根のなかで一つの作用力となって   強い力を発揮します。なぜならば、この外惑星中に生きているもの、そこで力を   ふるっているものは、また大地のなかでも作用力を発揮するからです。つまり、   もし私たちがある植物を大地から引き抜いた場合、その下方に根がついています   と、宇宙的な要素は根のなかにあり、花のなかにあるのはほとんどすべて地球的   な要素であって、ただ花の色の非常に微細な濃淡のなかにのみ、宇宙的な要素が   含まれているといわなければならないのです。   ルドルフ・シュタイナー『農業講座』(イザラ書房)75-76頁

 

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