アーノルド・ミンデル
『プロセスマインド/プロセスワークのホリスティック&多次元的アプローチ』

2012.11.2

アーノルド・ミンデルの「プロセス指向心理学」の
ある意味集大成的な著書
『プロセスマインド/プロセスワークのホリスティック&多次元的アプローチ』
(春秋社/2012.10/監修:富士見 ユキオ・翻訳:青木 聡・松村 憲) が翻訳された。
原著は、2010年にでている。

「プロセス指向心理学」は、「ユング心理学をベースに、
シャーマニズム、タオイズム、仏教など
古今東西の叡智を量子物理学などの現代的視点に基づき融合させた」ものだが、
その臨床体系、プロセスワークの全容が本書にまとめられている

。集大成とはいうものの、その示唆しているポイントさえ理解できれば、
とても読みやすくできているし、ある意味あっけないほどシンプルである。
もちろん、ここでなにが問題とされているかピンとこない人にとっては、
その読みやすさがむしろあだになるかもしれない。

「プロセス指向心理学」の特徴といえば、個人だけではなく、
組織や国家にまでその射程を広げている。
ぼくが最初にこの「プロセス指向心理学」に出会ったときにいちばん新鮮だったのは、
その点だ。
しかし、ここまで射程の広い心理学はあまりないと思うので、
「プロセス指向心理学」関係の視点が未知の方は、
本書は格好の一冊になるのではないかと思う。

ここでのご紹介の最後に、「序文」から少し。

   私はあらゆる人生のプロセスの背後に存在する「神の心」のことを「プロセス
   マインド」と名付けました。プロセスマインドは、個人や大規模グループのプロ
  セスの背後に明白に存在する、自己組織化する知性を持った「力の場」です。そ
  れは他の量子パターンと同じように、宇宙プロセスの背後に存在しています。
  本書「プロセスマインド」は、この「力の場」を現代の物理学理論や心理学や神
  秘主義の知見と関連付けて深く探求する試みです。」
   本書はプロセスマインドの諸相を探求するだけでなく、プロセスマインドが症
  状の苦悩をやわらげたり、人間関係の問題に取り組んだり、広範囲にわたる日常
  的な地球規模の状況における組織の問題を捉え直したりする上で、どのように役
  立つかを示しました。」

ちなみに、アーノルド・ミンデルのfacebookがあります。
http://www.facebook.com/Arnold.Mindell