「アルテス」Vol.03

2012.10.30

「音楽を愛する人の出版社」である「アルテス」の
音楽言論誌「アルテス」のVol.03が発売された。

今回の特集の1は、片山杜秀×岡田暁生ほかによる
「追悼 吉田秀和/吉田秀和とは誰だったのか?」。
片山杜秀、岡田暁生ともに、それぞれ『音盤考現学』『音楽の聴き方』で、
第18回、第19回の吉田秀和賞を受賞している。
吉田秀和をどう理解するかについて、興味深い話が読める。

特集の2は、湯浅学×田口史人(対談)・
鈴木慶一(ムーンライダーズ/インタビュー)ほかの「レコード・録音・記録」。
CDもすでに過渡的なメディアにすぎなくなっている今、
あらためてレコードというメディアの意味を考えるというもの。

ちなみに、波多野睦美の「うたうからだ」も連載されている。
こんな言葉が面白い。
「岩の上で月に吠える狼ーー理想の歌い手はこれだ。」
「わたしはいつも舞台で狼になりたいのだ」。

「アルテス」のオフィシャル・フェイスブックもある。
http://www.facebook.com/artespublishing

*以下、facebookではご紹介しにくかった、「アルテス」Vol.03の「目次」。

●目次
[特集]追悼 吉田秀和
 対談|岡田暁生×片山杜秀「吉田秀和とは誰だったのか?」
 吉田純子|「大丈夫。芸術は絶対に死なない」
 著作解題/年譜
[特集]レコード・録音・記録
 インタビュー|鈴木慶一「はじまりはレコードだった。」
 対談|湯浅学×田口史人「アナログは“音そのもの”、CDは“いれもの”」
 西島千尋|「レコードする」日本人
 対談|有馬純寿×ヲノサトル「録音という欲望について」
[連載]
 波多野睦美|うたうからだ[2]
 大和田俊之|倍音と幽霊──ハリー・スミスのアメリカ[2]
 輪島裕介|カタコト歌謡の近代[3]トニー谷のインチキ英語は戦後アメリカニ ズムのB面だった
 川崎弘二|武満徹の電子音楽[3]ミュジック・コンクレートとシュルレアリスム
 石田昌隆|音のある遠景[3]
 小野幸恵|和の変容[2]鎮魂の歌声「声明」
[Re: music...〈音楽へ──〉]
 大石始|まつりの島 La isla de carnaval[3]日本最強のダンス・ミュージックが生み出す祝祭空間~東京高円寺阿波おどり
 藍川由美|谷川雁を読む[2]「こいは、俺たちの歌ばい」
 濱田芳通|歌の心を究むべし[3]ダ・ヴィンチはオペラを作ったか?
 おおしまゆたか|アラブ、アイルランド、アメリカをめぐる音楽の旅(下)音源編2
 鈴木治行|イマジナリア[3]イメージと音の危うい関係──自己言及へ
 ト田隆嗣|Suara, macam2(スアラ・マチャム・マチャム)音声、いろいろ[3]コロコロ、コロコロ、転がって
[エッセイ/レポート]
 毛利嘉孝|二〇一二年夏、首相官邸前
 成田麗奈|ドビュッシーの目を通してみる美術の世界
[著者エッセイ]
 特別対談:片山杜秀×田中美登里|ラジオと声と録音と
 光嶋裕介|ファラオとゲッツ
 畑野小百合|ファジル・サイ、あるいは世界市民
 小野幸恵|祖母の「おはなし」
 礒山雅|天上のバッハに知らせたいこと
 オヤマダアツシ|“マニアック”なビギナー向け音楽祭
 ──ラ・フォル・ジュルネの楽しみ方。
[書評]
 大和田俊之|デイヴ・トンプキンズ『エレクトロ・ヴォイス』
 金子智太郎|Steve Roden, ...i listen to the wind that obliterates my traces
[フィクション]
 山崎春美:ロッカウェイビーチ[3]
[論文]
 三輪眞弘|アルゴリズミック・コンポジションの(不)可能性