『イスラム芸術の幾何学/天上の図形を描く』庫)

2012.10.23

ダウド・サットン著・ 駒田 曜訳『イスラム芸術の幾何学/天上の図形を描く』

『プラトンとアルキメデスの立体 』と同じ著者ダウド・サットンには、
この同じ「アルケミスト双書」に
『イスラム芸術の幾何学/天上の図形を描く』というのがすでにでている。
イスラムに興味を持ったのは井筒俊彦さんの影響が大きいが、
それ以前に、イスラム的な幾何学には惹かれるものがあった。
しかし、イスラムの幾何学パターンはめくるめく宇宙だ。「はじめに」から少し。

「イスラムのデザインの視覚構造には、キーとなるふたつの面がある。
アラビア文字のカリグラフィーと多彩でありながら
驚くほどの統合性を持つ視覚言語である。
純粋な装飾芸術としての後者には、さらにふたつの中核要素がある。
ひとつは幾何学パターンで、平面を調和のとれたシンメトリカルな図形に分割し、
複雑に織り合わさったデザインを作り出して、
無限性やあまねく存在する中心といった概念をあらわす。
もうひとつは理想化された植物模様、
つまりアラベスク、唐草、葉、蕾、花などであり、
有機的な生命やリズムを体現する。
本書ではイスラムの幾何学パターンに焦点を合わせ、
その構造と意味を説き明かしていく。」