吉本隆明『最後の親鸞』『吉本隆明が語る親鸞』

2012.10.01

 先週末は、四国の高松、松山への早朝から深夜にわたる出張が続いて、
ようやく週末を迎えると思っていたら、
今度は、宇和島のほうにいる親戚の叔父さんが亡くなって、
お通夜とお葬式があって、慌ただしい数日を過ごすことに。
宇和島のほうへ行くのは十数年ぶりになった。

親戚の菩提寺は浄土真宗で、小さい頃、お葬式や法事があると、
その寺にでかけて、正座している足の痛みを感じながら、
お寺のなかに飾られている極楽浄土の絵を見、
わけのわからないお経を聞いていたことを思い出す。

せっかくだからと、向かう車のなかで、
吉本隆明が親鸞について語っている講演集のCDを聞いたりしていた。

吉本隆明の親鸞といえば、『最後の親鸞』というのが名著である。
親鸞には関心があったので、せっかくだから、
お通夜、お葬式のときに唱えられているお経をじっくり聞いていると、なかなか面白い。たぶん、仏説阿弥陀経や仏説無量寿経の一部もあったと思う。
音霊としてのお経もなかなかいいものだが、
こういうお経は内容がわかって、できれば解説などがあったり、
チベットの死者の書のような感じの、
もっとわかる語りの形式をったりすればいいのにと思ったりしていたが、
それよりももっといいのは、
死者が今そしてこれからどうなのかを参列者にイメージしていただきながら、
死者もそれとともに浄化へと向かうというのがいいように思う。
なかなかむずかしいところだけれど。