風のブックマーク2004
「音楽」編

 

本間ひろむ『指揮者の名盤』


2004.1.13

■本間ひろむ『指揮者の名盤/50人のマエストロを聴く』
 (平凡社新書206/2003.12.18発行)
 
数年前に「THE 20TH CENTURY MAESTOROS」という
第二次大戦までに録音されたものを中心とした
名指揮者による40枚組のCDを格安で購入した。
クラシック通ではないぼくにはほとんど知らない名前ばかりだったが、
おりにふれて聴く個性的な演奏はなかなかに楽しいものだった。
 
この新書は、そうしたかつての名指揮者たちから
最近活躍している指揮者まで50人とその名盤を紹介したもの。
CDには指揮者の簡単なプロフィールが紹介されてはいるものの
英語とドイツ語だけなので面倒であまり読んでいなかったので、
本書でようやくそうした指揮者たちのことを
エピソードを含め知ることができた。
たまにはこういう本も参考になっていいのかもしれない。
それに、書かれてあることと実際に聴くぼくの感じ方が
まるっきりちがっていてもいいわけだし
そういうところが見つかったらもっと楽しめたりもする。
 
ぼくはそんなに交響曲とかを聴く方ではなかったのだけれど
最近になってようやく少しずつではあるものの
オケをきく楽しさがわかってきたところがある。
以前、バーンスタインのマーラー全集や
ヨッフムのブルックナー全集などをよく聴いていたりしたこともあるが、
昨年末などは、ベートーヴェン・エポックとして、
ラトルのベートーヴェン全集なども聴いたりもした。
今は、ブラームスの交響曲などをいろいろ物色していたりする。
フルトヴェングラーのものとかなかなか。
 
さて、そのCDのなかにあったトーマス・ビーチャムのことが
本書のまえがきの最初に次のように書かれてあり、
無知なぼくはようやくその指揮者のことを知ることができた。
 
         英国の指揮者、トーマス・ビーチャム卿をご存じだろうか。
         彼は、それはそれは音楽が好きで指揮者になりたいと思っていた。
        けれど、音楽の専門教育を受けていないので、「私は指揮者です」と
        いってみたところでどこのオーケストラからも声がかからない。なら
        ば自分で作ってしまえとばかり自らの名を冠したビーチャム交響楽団
        を、そしてロンドン・フィル、ロイヤル・フィルといったオーケスト
        ラを私財(父親の遺産だったとか)を投じて次々に設立。自ら指揮台
        に立った。
 
本書のは名指揮者としてのビーチャム卿は紹介されてないのだが、
CDのほうでみると1879-1961とあり、
1934年録音のモーツァルトの交響曲第41番(ロンドン・フィル)などが
収められいてとても楽しく聴くことができる。
 
ぼくはこうした指揮者などをあれこれいうような
いわばクラシック「通」になろうとは思わないけれど、
音楽をより深く楽しむためのちょっとしたガイドとして
指揮者やオーケストラの個性を知っておくのもいいかなという気がする。
 
 

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